「助けてチョーダイッ!」「ヒッジョーにキビシーッ!」などのギャグで知られた、コメディアンで俳優の財津一郎さんが慢性心不全のため、10月14日に都内の自宅で亡くなっていたことが19日にわかった。89歳だった。
財津さんは往年の喜劇王・エノケンこと榎本健一の元で演技を磨いた後に吉本興業入りし、新喜劇で活躍。1966年には藤田まこと主演の伝説的時代劇コメディー「てなもんや三度笠」に浪人・蛇口一角役で出演すると、冒頭の名ゼリフで人気者になった。
その後は喜劇俳優として全国区となり、「3年B組金八先生」(TBS系)では英語教師役で出演。2011年放送の「ファイナル」出演を最後に、事実上の活動休止状態にあった。広告代理店関係者が言う。
「財津さんは俳優として活躍するかたわら、CMにも多く出演。エスフーズの『こてっちゃん』やNECの『バザールでござーる』のナレーションが代表作ですが、2000年から放送が始まったタケモトピアノのCMのフレーズが頭に強く残っている人は多いと思います。『ピアノ売ってチョーダ~イ!』と流れると、赤ちゃんが泣き止むという伝説まで生まれました」
子育て中の親を大いに助けることになったタケモトピアノのCMは、財津さんの死によってお蔵入りとなってしまうのか。
タケモトピアノの竹本功一会長によれば、今年9月で映像使用契約は終了している。これまでも何度か契約が終わる動きはあったが、
「視聴者からの『やめないで』という声は多く、契約を延長してきたのだとか。それでも20年以上が経過したということもあり、とうとう今年、終了していた。財津さんの元に挨拶に行こうと思っていた矢先の訃報だったといいます」(前出・広告代理店関係者)
幼い頃からCMに親しんでいた層からは「自分に子供ができたら聞かせたかった」「CMやめないで続けてチョーダイ!」と言った声が寄せられている。
「みんなまぁ~るく」なるCM再開には誰もが「そのとぉーり!」と言うことだろう。
(石見剣)