アメリカ国防総省の全領域異常対策室が、「未確認異常現象」の目撃情報を公開した。それによると、UFOに関する報告は毎月数十件も寄せられており、調査機関トップである国防総省高官は、
「数千件とはいわないまでも、数百件に増える可能性がある」
と示唆。大きな波紋が広がっている。UFO研究家が言う。
「未確認現象に関する報告件数は、昨年8月の650件から、今年4月には約800件にまで増加しており、その多くが気球やドローン(無人機)など無害な物体なのですが、中には全く分析不可能な現象もある。まだ検証は続けられています」
国防総省の発表を受けて、SNS上には様々なコメントが見られるが、その中に、
〈ついにフー・ファイター(foo fighter)が姿を現したのか〉
〈それって、フー・ファイターの再来?〉
といった記述が。昨今では聞き慣れない、フー・ファイターとは何か。
これは第二次世界大戦中の連合国軍パイロットらが太平洋上空などでしばしば目撃したとされる、未確認飛行物体及び、奇怪な光球を指した用語だ。現在はそれらを総称してUFOと呼ぶため、ほとんど使われることがなくなっている。UFOに詳しい科学ジャーナリストが解説する。
「フー・ファイターの語源は、アメリカで第二次大戦前後にかけて連載されていた漫画『スモーキー・ストーヴァー』で、主役の消防士が口癖として使う『Where there’s foo, there’s fire(フーのあるところ火あり)」が由来。当時の目撃談には光の球や金属板のような形状が群れをなして飛び、戦闘機に追尾してきた、といった証言が多かったようです」
そのスピードは当時の戦闘機では考えられないもので、かつ不規則な動きで飛行。連合国軍パイロットたちは「ナチス・ドイツの新兵器ではないのか」と疑ったと伝えられるが、むろんドイツにはそのような記録はいっさい残っていないという。
「ただ、目撃されるのが航空機ではなく戦闘機に限られることから、一部の科学者の間では、超低温の空気によって作られた氷の微細な結晶が、損傷を受けた戦闘機の機体周辺で渦を巻き、光を反射したとする説があります。しかし、だとしても大きさや色が一定でなく、振り払おうとしてもまとわりついてくるなど、どう考えても謎が残る。現在までその正体は解明に至っていません」(前出・科学ジャーナリスト)
そんなフー・ファイターが時を経た今、なぜ注目されてことになったかは不明だが、SNSで飛び交うフー・ファイター再来説に、往年のUFOファンからは歓喜の声が上がっているのである。
(ジョン・ドゥ)