今年は大きなトラブルもなく、無事に終了したようだった。10月31日、ハロウィン当日の渋谷である。
例年、ハロウィン当日には仮装した者や見物者が大挙して渋谷に押し寄せ、トラブル続出で逮捕されるケースも少なくなかった。近隣の店舗の備品が破壊されたり、通りかかったトラックが酔っ払った若者集団にひっくり返される被害も。
そのため渋谷区長は「ハロウィン目的で渋谷駅周辺に来ないでほしい」という異例の呼びかけを行った。昨年、韓国ソウルの繁華街、梨泰院(イテウォン)で159人が死亡する大惨事が起きたことを受け、警戒感がより強まったのだ。そうした行政側の働きかけもあってか、渋谷には大勢の人が押しかけてはいたものの、「事件」は起こらずに済んだようだ。
ところがそんな中、モデルでタレントの益若つばさの発言が、問題に。益若はハロウィン当日、自身のX(旧Twitter)に、次のような投稿を行った。
〈せっかく世界的な楽しい文化になりそうだったのにルールを破る人に合わせてまた世の中から文化や娯楽や経済効果が一つなくなっていくのか〉
これを機に、侃々諤々の言い争いが展開されることになったのである。
賛同派のネットユーザーが「楽しみにしていたイベントがなくなるのは残念」と追随すれば、猛反論が続々と沸き起こる。
「ハロウィンの本来の意味も知らない人たちが馬鹿騒ぎしてるだけ。こんなの世界的な文化じゃないでしょ、恥ずかしい」
「これが新しい文化だと勘違いした人間が大挙押し寄せて、ゴミを散らかしたり犯罪行為を犯したり。規制されて当たり前」
「韓国のような大事故が起きたらどうする?」
「ハロウィン自体は否定しないが、きちんとした主催者のいる場所や各家庭で楽しめばいいのでは」
毎年繰り返される乱痴気騒ぎに、辟易している人が増えているのは事実だ。
こうした怒りの声に反応した益若は翌11月1日に再度、Xへの投稿で自らの主張を展開した。
〈ダサいことしてきた人達へ。街にゴミ捨てたり痴漢したり迷惑行為して良い日は365日中1日もないです。禁止せざるおえなくなります(※原文ママ)。純粋にハロウィンを楽しみたい子どもも大人も肩身が狭くなります。この先何年も行事を続けていけるように周り見てね〉
いきすぎた迷惑行為を否定する一方で、自身はというと、
〈こんなこと言いながらお家ハロウィン派なんですけどね〉
ネットライターが言う。
「お家ハロウィン派とは言いつつ、前日にはUSJで行われたハロウィンホラーナイトに出かけた様子を投稿していますけどね」
ハロウィンのイベントを本当に文化として根付かせたいのなら、ハロウィンの本来の歴史的意味を理解した上で、迷惑行為ゼロで他者から批判されないものにすればいい。
(石見剣)