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「日本大学は再生できない」アメフト大麻隠蔽事件の絶望的な調査結果…そして付属校は「最下層」に沈んだ

 あれは予想の斜め上を行くヤバさだった。

 日本大学アメリカンフットボール部による薬物事件で、大学の対応を検証・調査してきた第三者委員会が10月31日に東京都内で記者会見し、林真理子理事長、酒井健夫学長ら大学執行部の「非常識ぶり」を断罪したのだ。

 中でも唖然とさせられたのが、東京都中野区にあるアメフト部寮には「大麻部屋」が存在し、4年生が下級生に薬物使用を誘っていた、との調査結果だった。体育会では、4年生は「絶対的な存在」という時代遅れの学年序列ヒエラルキーがいまだに存在することが判明した。

 大麻を常習すれば短期記憶力の低下や反射神経の鈍麻、統合失調症を発症する。上級生に強要されて大麻部屋に入り浸った時点で、相手のタックルを瞬時にかわし、状況判断が求められるアメフト選手生命は終わったも同然だ。

 昨年7月に上級生から大麻使用を誘われた部員は、昨年11月になって中村敏英監督に相談していたが、この時点で日本大学もアメフト部も大麻部屋使用者の7人を警察に通報することもせず、第三者委員会の会見まで「隠蔽」し続けていた。

 日本大学は今季の大学リーグ戦を出場資格停止中で、関東学生アメリカンフットボール連盟は「1部リーグ」最下位の日大と2部リーグ最上位校との入れ替え戦を開催するか、検討中だという。だが7人もの部員が大麻を使用した新事実が明らかになり、過去に危険タックル事件も起こした日大に試合をさせて、他大学のアメフト部員が再び負傷したら、誰が責任を取るのか。

 第三者の同連盟が日大アメフト部の対処に苦慮する前に、8月の会見時に「アメフト部を廃部した」と発表できなかった林理事長と酒井学長は、退任を迫っている澤田康広副学長となんら変わりない。

「母校をなんとかしたいという善意から理事長職を引き受けたものの、林理事長はここまでボロクソに批判されることに耐えられるのか」

 と、スポーツ紙デスクは辞任の可能性に言及する。

 第三者委員会委員長の綿引万里子弁護士は林理事長ら執行部に対し、猛烈にダメ出しした。いわく、

「事実を矮小化し、不都合な情報に目をつぶり、自己正当化するという基本的姿勢の不適切さ。(8月の会見は)失言に近い発言。今のような状態を続けていたら、日大は再生できない」

 前出のスポーツ紙デスクも、手厳しく指摘する。

「これまで理事長と交友を持った影響力ある著名人は林理事長を庇い、理事長室で全身プラダを着飾る様子をネットで公開した際には『自分で稼いだカネで着飾って何が悪いのか』という擁護まで出た。林理事長はイエスマンと取り巻きに囲まれて浮かれてたのではないですか。その間、仕事先でも就職活動でもことあるごとに『日大の薬物問題をどう思うか』を聞かれるOBや在校生にしてみれば、日大でも異色の存在である芸術学部卒の林理事長の『自分大好き』な言動を、フザケルナと思っていたことでしょう」

 会見に参加した日大新聞の学生記者からは「この大学に学生ファーストの教職員はいるのか」との恨み節まで聞かれた。

 今年度の中学受験で、日大付属校はすでに最下層グループに沈んでいる。大学受験でも半世紀以上「日東駒専」「大東亜帝国」と言われてきた受験難易度の序列が「大東亜日本帝国」という俗称に変わるかもしれない。

(那須優子)

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