これまでにも幽霊の目撃談やオカルト関連の事例が多く報告されているイギリスで、またまた英国王室宮殿内にいたとされる、「笑う幽霊」の存在がクローズアップされている。
この幽霊話を報じたのは、10月25日付の英紙「エクスプレス」。インタビューに応じたチャールズ国王の元執事、グランド・ハロルド氏が勤務中に「くすくす笑う少年の幽霊」の声を聞いたと証言。 元王室職員の話だけに信憑性があるとして、イギリス中のオカルトファンがザワついている。ヨーロッパのオカルト事情研究家が語る。
「ハロルド氏は国王の下で7年間働いていた執事ですが、王室には主要な宮殿がいくつもあり、具体的にどこの場所とは語っていません。が、そのひとつに、かつて井戸だったものを地下室に作り変えた場所があるのだとか。その井戸がある宮殿で100年ほど前に大きな火災があり、おそらくは職員の家族なのでしょうか、幼い男の子がその井戸に落ちて溺死したのです。男の子の遺体は職員の手により地元の教会の墓地に埋葬されましたが、これ以降、その少年が幽霊となって、かつて井戸だった地下室にたびたび出没するようになったというんです」
ある日のこと、ハロルド氏が同僚と地下室を訪れると、そばにあったボウルや椅子が急に動き出し、小さな男の子の笑い声が聞こえてきた。恐ろしくなってその場から逃げ出したが、その後、家政婦と一緒に地下室に行って電気を消すと、男の子の笑い声は消えたというのだ。
「ハロルド氏が言うには、宮殿の中でも最も恐ろしいのが、冬の保養地であるサンドリンガム宮殿。ここではジョージ6世、ジョージ5世、クラレンス公も亡くなった場所であり、夜間に宮殿内を歩くと奇妙な音が聞こえてきたり、不思議なものを目にすることが多かった。イギリスにはこういった超常現象が起こる場所が多く、ロンドン東部エセックス州にある幽霊屋敷、ボーリー牧師館は長年『イギリスで最もお化けが出る家(The most haunted house in Britain)』といわれてきました。牧師館そのものは火事により現存しないものの、跡地には教会や墓地が隣接し、そこでも頻繁に幽霊が目撃されている。観光客があとを絶たないのは、そのためです。今回のハロルド証言でオカルトブームが再燃しつつあり、すでにサンドリンガム宮殿周辺にはオカルトファンが集まっていると聞いています」(前出・オカルト事情研究家)
幽霊屋敷に幽霊宮殿…オカルトの伝統あるイギリスならではのニュースなのである。
(ジョン・ドゥ)