米中間選挙の連邦議会上院では、民主党に過半数をとられた共和党。米紙ウォールストリート・ジャーナルなどは「トランプ前大統領が22年の選挙を台無しにした」とのタイトルで記事を掲載。「共和党はそろそろ前大統領を離れて前に進むべき時期だ」と指摘している。下院では改選前議席こそ確保したものの、予想された“赤い波”は起こらず、アメリカ政治に詳しいジャーナリストは、「いよいよトランプ神話に翳りが見えてきた」として、こう語る。
「トランプ氏は大統領時代、減税や規制緩和など政治的には一定の成功を収めました。しかし一方で、独善的な議会戦略や強引な人事により、所属する共和党にも打撃を与えています。今回の中間選挙での全米出口調査によれば、同氏に好意的だった有権者は39%しかいなかった。結果、上院では勝てたはずの選挙に敗れ、多くの共和党員が離れてしまった。トランプ氏の共和党リーダーとしての資質が問われ始めています」
それでもトランプ氏は15日(現地時間)、2024年の大統領選に出馬すると表明。今後はデサンティス・フロリダ州知事と共和党大統領候補の指名争いとなりそうだが、そんな折も折、近く出版されるチャールズ英国王の伝記の中に、トランプ氏の名前が登場するとして波紋を広げている。なんでも、97年に死去したダイアナ元妃に交際を迫り、「その気になれば落とせる」と豪語していたというのだ。
問題の著書は「国王 - チャールズ3世の人生」。著者は過去に「マドンナの真実」や「ミック・ジャガーの真実」などの評伝を手掛けた作家のクリストファー・アンダーセン氏だ。
著書ではチャールズ国王とトランプ氏との関係に触れ、トランプ氏が離婚後のダイアナ元妃にしつこく付きまとったもののあえなく拒絶され、同氏は後にラジオで「自分がその気になれば彼女を落とすことができた」と語った、といったエピソードも収録されているという。
「実はこの発言は、米国の人気パーソナリティのハワード・スターン氏が司会を務めるラジオ番組のインタビューで飛び出したもの。1回目は、ダイアナ元妃がパリで交通事故死してまもない97年。『(自分が望めば)ダイアナ妃とお近づきになれたと言うあなたの発言を、人々がうぬぼれていると思うのはなぜか』と尋ねるスターン氏に対し、トランプ氏は『できたはずだと思う』と回答。2000年のインタビューでも再びダイアナ元妃の話題になり、スターン氏が『彼女と寝たかもしれないということか?』と聞くと、トランプ氏は『何のためらいもなく』と答えています。つまり今回ばかりは、まんざら根も葉もない話ではないようです」(英王室に詳しいライター)
実際、ダイアナ元妃が離婚後、トランプ氏は連日のように彼女の自宅に花束を贈っていたという話もあり、トランプは自伝にも「女性との別れで唯一、後悔している別れがあった。それはレディ・ダイアナ・スペンサーと交際する機会がなかったことだ」と書いている。
「ただ、トランプ氏は根っからの商売人ですから、当時は自身が保有する不動産の宣伝のため、との見方もありました。とはいえ、彼がダイアナ元妃からは全く相手にされなかったのは事実のようで、『究極のトロフィーワイフ(見せびらかすための妻)』にすることは叶わなかったというわけです」(前出・英王室に詳しいライター)
大富豪トランプ氏も、さすがに誇り高き“英国のバラ”だけは手にすることが出来なかったようだ。
(灯倫太郎)