もはや「増税クソメガネ」「減税ウソメガネ」どころの話ではない。
固定資産税の滞納を繰り返していた過去が大問題になった神田憲次財務副大臣が11月13日、遅まきながら辞任した。岸田文雄総理による、事実上の更迭である。
20歳代の一般女性との不適切な関係が発覚した山田太郎文部科学政務官(10月26日辞任)、東京都江東区長選を巡る公職選挙法違反事件に関与した疑いがある柿沢未途法務副大臣(10月31日辞任)に続き、政務三役(大臣、副大臣、政務官)の辞任は、これで3人目。9月13日に第2次岸田再改造内閣が発足してからわずか2カ月。岸田総理にとっては、まさに悪夢としか言いようのない「辞任ドミノ」である。
相次ぐ不祥事や内閣支持率の続落は、選挙結果にも如実に表れ始めている。
今年9月の東京都立川市長選で自民党推薦の新人候補が野党候補に敗北したのに続き、10月の都議選立川市選挙区補選でも、自民党公認の新人候補2人が野党候補に議席を奪われている。さらに11月12日に投開票が行われた東京都青梅市長選で、自民党と公明党が推薦した現職候補が野党候補に惨敗を喫したほか、同日投開票の福島県議選でも自民党は議席を減らして、単独過半数割れに追い込まれてしまったのだ。
この惨状に、自民党内の空気は一変し始めている。岸田総理に近い有力議員が明かす。
「神田副大臣の辞任もさることながら、地方選での相次ぐ敗北は衝撃的だった。議員にとって命の次に死守しなければならない選挙で、岸田政権に対する有権者の『ノー』がモロに出てしまった格好だ。12月10日に実施される江東区長選でも苦戦が予想されており、党内では今、『岸田降ろし』へ向けた動きが急速に広がり始めている状況だ」
加えて「泣きっ面に蜂」となる、さらなる不祥事、スキャンダルの発覚が懸念されている。
「永田町では今、『政務三役の辞任はまだ続く』との観測が流れているほか、『年明けには大物閣僚案件が炸裂するようだ』との憶測が飛び交っている。そうなったらとてもではないが、政権はもうもたない。岸田丸は沈没寸前の泥舟状態だよ」(自民党執行部幹部)
岸田政権は間もなく、音を立てて崩れ去ろうとしている。
(石森巌)