選挙戦がスタートした参院選は、7月10日投開票。選挙カーが候補者の名前をがなり立て、投票を呼びかけているが、日本では「落選運動」なるものが認められている。
物価高対策、ウクライナ侵攻に関係した安全保障問題などが今回の大きな争点ではあるが、今ひとつ焦点がぼやけている。だが「この人だけは当選させたくない」という候補者が出てくることもあろう。
落選運動については、21年秋の衆院選と最高裁裁判官国民審査で、選択的夫婦別姓や同性婚に反対する人を落とそうという「ヤシノミ作戦」が展開された。IT企業「サイボウズ」の青野慶久社長がサイト管理者で、7月の参院選でも実施されている。
「このサイトには、16年に当選して22年に改選となる予定の参院議員について、選択的夫婦別姓、同性婚に関する意見の一覧表を掲載しています」(政治部デスク)
サイトに記載されている「夫婦同姓も素晴らしい。夫婦別姓も素晴らしい。異性婚も素晴らしい。同性婚も素晴らしい。ダメなのは、その選択肢を用意しようとしない政治家です。ヤシノミ作戦では、そんな政治家たちをリストアップし、落選に導いていきます」という運動の趣旨に賛同し、単にカネやスキャンダルではなく、ワンイシューで投票行動を決めていこうということが、共感を呼んでいる。
また「政治家を追え 落選運動ポータルサイト」では、過去の政治家の不祥事を取りまとめている。投票前に自分の選挙区の候補を調べてみるのも大切だ。
例えば東京選挙区で自民党から立候補予定の朝日健太郎参院議員は当選確実と言われているが、同サイトを見ると、20年の東京新聞で報じられた、視察先の団体からの性ハラ抗議関係の記事がある。
インターネットで「落選運動」と検索すると、自民党内では岸田派と安倍派が事あるごとに対立していることもあり、「岸田派(宏池会系)の議員を落選させよう」という呼びかけもあるのだ。
(健田ミナミ)