今季限りでの引退を発表した元日本代表FWでアルビレックス新潟シンガポール所属の李忠成が、鈴木啓太氏のYouTubeチャンネルに出演。自身の半生を語る中で明らかにした「父親の指導法」に注目が集まっている。
李が「ダーティーパパ」と呼ぶ父親は、横浜トライスターSC(全日空サッカークラブ=後の横浜フリューゲルス)に所属していた元サッカー選手で、指導はかなりのスパルタだったという。李は小学生時代のこんな練習を明らかにした。
「FWはDFを背負ってプレーする。父がDF役になって駆け引きをしたら、『お前こんな背負い方じゃダメだ』と言って、肘を顔面に入れて目潰しをしてから前に行けと。『相手の目を最初に潰せ』と指導された」
さらにクロスボールの時は「俺だったらお前の顔にヘディングしてヘディングさせない」といった具合だったという。
そんな父に連れられ、小学5年生で古河電工のジュニアユース(中学生)のセレクションへ。李少年は見事最終選考まで進んだという。すると両親が急にソワソワし始めた。その理由はまさかの、
「保険証を偽造して『小学6年生』ということにしてセレクションを受けさせたから」
しかし李両親が正直にアカデミーのGMに掛け合い最終選考を受けることを許され、見事合格。飛び級でジュニアユースに入ることとなった。
そんな破天荒な父親だったが、筋を通す男らしい人だったという。こんなエピソードを李は明かした。
「中学生の時にFC東京と練習試合をして、相手の監督さんの目に留まりFC東京のジュニアユースに来ないかと誘われた。ただ、父は小学6年生からジュニアユースに参加させてくれた古河電工を裏切れないとして断った」
李はその後、中学生3年生からFC東京のユース(高校生)に所属。トップチーム昇格を勝ち取った。その時、
「嬉しかった。すぐに両親に電話して報告したが、父は『ああ』で終わり(笑)」
と実にそっけない返事だったとか。アスリートの父親には変わり者が多いイメージがあるが、李忠成の父親もかなりのくせ者である。
(鈴木誠)