社会

「上毛電鉄」新型車両導入に利用者が嘆き節のワケとは

 群馬県の中央前橋駅と西桐生駅を結ぶ「上毛線」を運営する上毛電気鉄道が新型車両を導入し、来年2月下旬から運用を開始すると発表した。

 新たに導入されるのは東京メトロ日比谷線で運用されていた「03系電車」。省エネルギーのための機器や大容量の冷房装置、液晶運賃表示機などの取り付けを行い、名前を「800形」に変えて上毛線で運用する。新車両の導入費用は1編成あたり3億円で、国と群馬県、前橋市・みどり市・桐生市の沿線3市で負担する。

 これまで使っていた車両は1962年に製造が始まり2011年に引退した京王3000系電車(写真)で、03系は1988年に製造開始、2020年に運用を終了と一気に新しくなる。また03系はすでに長野電鉄や北陸鉄道、熊本電気鉄道が導入した実績がある。利用者は大歓迎と思いきや、残念がる声も聞こえてくる。理由を鉄道ライターはこう解説した。

「地方の私鉄は支出を抑えるため、今回のように大手私鉄の中古車両を購入することがほとんどです。ところが上毛電鉄は車両を新造すると発表していました。利用者は『そんなお金があるのか』と眉唾ながら新たに造られる車両に期待していたんです。それが結局、新造されずに中古と決まり、ガッカリしているんです」

 さらに群馬の鉄道のライバル関係も影響しているという。

「同じ群馬県を走る『上信電鉄』も車両の多くを西武鉄道やJR東日本の中古を使っていますが、13年に自社発注で『7000形』を新造しました。沿線の富岡製糸場が世界遺産に登録されることが確実だったため、製造費用は国と群馬県など沿線自治体が全額補助して実現したんです。上毛線の利用者にしてみれば『近くを走る上信電鉄は補助を受けて新造したのに、上毛線は補助を受けて中古の購入とはどういうことか』という気持ちなんです」

 しかし、鉄道ファンにしてみれば懐かしい03系に乗れるほうが嬉しいもの。上毛電鉄の選択は最終的に吉と出るかもしれない。

(海野久泰)

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