巨人とあと1年残っていた契約をあえて解消した中田翔の移籍先は、やはり中日だった。
12月2日に中日・立浪和義監督が同席して交渉を行い、2年総額6億円と日本ハム時代の背番号6を提示して一夜明けた3日、中田本人から「お世話になります」とすぐに返答が来た。
今回の交渉は立浪監督が東京まで出向いて行われた。中日担当記者によれば、
「中日とは、中田が巨人を辞める前から『交渉』をしていたんじゃいか? と思うぐらいあっさり決まりました」
来季の巨人戦はまさにリベンジマッチとなるわけだが、くすぶる火種も多々あるという。
一つは中田と立浪監督との『関係』。2013年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で打撃コーチだった立浪監督は「WBCで一緒にやったし、(中田とは)今でもいい関係です」などと強調していたが、その立浪監督は12球団随一の「教え魔監督」で、それも「自分の打撃理論が一番だと譲らないタイプ」(前出・中日担当記者)。今季で言えば、助っ人・ビシエドと一悶着があった。
「立浪監督はビシエドの打撃改造を試みましたが、ビシエドの方は忠告も指導も全く無視をして一切聞き入れなかった。結果、何度も2軍に落とされ事実上の構想外にされている。中田と同じく一塁しか守れないだけに、来季も起用されることはないでしょう。そんな立浪監督の『教え魔』ぶりが、今度は中田に対しても発揮されそう」(前出・中日担当記者)
ただでさえ中田は極端な前傾姿勢からの変則的な打撃フォームだ。
「紆余曲折を経てようやく今のフォームにたどりついただけに、立浪監督がイジろうとすれば一気に関係が冷え込む可能性はありますよ」(前出・中日担当記者)
中田がビシエドの二の舞にならないことを願うばかり。
(小田龍司)