もう一人のサプライズが12年ぶりに出演する中島みゆき(62)だ。朝ドラ「マッサン」の主題歌を歌っているが、本人はいたってマイペース。すでに年末年始を海外で過ごすことを決めており、
「旅行のキャンセル料が発生するから出られない」
と、断り続けていた。そんな中島が出演を決めたのは、なんと発表6時間前だったという。
「前回は黒部ダムからの中継でした。年明けから『マッサン』は北海道の余市編が始まります。当然、余市からの中継でしょう」(芸能記者)
ところで、ここで考えたいのが、外国人歌手がカタカナなのにもかかわらず、出演者にあまりにもローマ字の名前が多いことである。初出場の「SEKAI NO OWARI」という名前を見て「何じゃそら?」と首をかしげるのは、多くの中高年にとって自然なことだろう。
「ここしばらく紅白は『対症療法』を行っているという印象は否めません。何となく状況に合わせる形で、こっちで求められているものを用意し、あっちが欲しがるものも並べてみましたという、まるで潰れかけの総合デパートみたいです。本当はNHKとして『紅白とはこういうもの』という、『紅白の哲学』を考えるべきでしょう」(碓井教授)
ここまで場外バトルを紹介したが、今年の紅白はリアルバトルが勃発するかもしれない。そう、サザンオールスターズの特別出演と、長渕剛(58)の出演である。桑田佳祐(58)は20年前に「すべての歌に懺悔しな」で、
「テレビにゃ出ないと言ったのにドラマの主役にゃ燃えている」
などと、長渕をコキ下ろした。これに長渕が「絶対に許さない」と激怒。桑田がボディガードをつけることになったのだ。
「今回はコンサート会場からの中継です。演出も指示も一切しない。桑田さんは紅白で、突然、三波春夫さんのモノマネをするなど“前科”がありますので『すべての歌に──』をいきなり歌われたら‥‥」(NHK関係者)
最もスリリングな時間を提供するのは、ずばり、サザンであると言えよう。
もはや歌とは無関係な話題ばかりが先行する紅白。なぜ、本来の意味を失っても番組を継続するのか、疑問に思うところだろう。
「視聴者にとってというより、公共放送にとっての『紅白』という思いがあるのかもしれません。NHKにとって、3大『記号』『シンボル』は『朝ドラ』『大河』『紅白』です。『朝ドラ・大河』がドラマの看板、エンターテインメントの看板が『紅白』です。やめるのは簡単ですが、手放したらNHKは多くのテレビ局のワンノブゼムになってしまうのではないか、という思いがあるのではないでしょうか」(碓井教授)
除夜の鐘を前に、戦いのゴングは鳴るか──。