巨人が断行した今シーズンの大改革は、長きにわたりショートを守り続けた坂本勇人を、サードに追いやったことだろう。代わってショートに入ったのは、2022年ドラフト4位で入団したルーキー・門脇誠。65試合に出場したショートの守備率は9割9分1厘だ。これは、89試合に出場した坂本のショートの守備率9割8分9厘を上回る。課題の打撃も尻上がりに向上し、打率を2割6分3厘とした。今季、2年連続Bクラスの4位に甘んじた巨人だが、それでも門脇がいなければ…と想像するだけで寒くなる巨人党は多かったことだろう。
スポーツ報知のYouTubeチャンネル〈報知プロ野球チャンネル〉12月7日の回に、巨人の水野雄仁スカウト部長が登場して言うには、
「昨年のドラフトは原監督の意見がすごく(影響した)…。門脇にしても、もうひとりのショートと比べて出した時に、即決で『門脇』と。我々の中ではどちらでもいいかなと、迷いはあったんですけど…」
原辰徳前監督の慧眼ぶりのおかげだったというのだ。
他球団を含め、スカウト部の前評判が高くなかったことから、4位指名となった門脇だが、結果として、
「正直、思っていた以上の選手でした。僕の中で。いい選手が来たなと、しかもドラフト4位という形でね」
この動画チャンネルの過去配信回で原監督自身、そう唸っていたのである。
蛇足だが、プロ野球界で過去のドラフト4位入団選手といえば、
「前田智徳(広島)、中村紀洋(近鉄)、金本知憲(広島)、和田一浩(西武)、青木宣親(ヤクルト)など、いずれも通算2000安打に到達するような名選手が、意外と多いんです。そうそう、1991年のドラフトでオリックスに入団したイチローも、そのひとりですね」(スポーツ紙デスク)
門脇がいずれ名球会入りを果たした暁には、「門脇は私が見出した選手でしてね…」と相好を崩す原前監督の姿が目に浮かぶ。
(所ひで/ユーチューブライター)