ようやく大谷翔平のドジャース移籍が決まった。しかも現地メディア、ロサンゼルス・タイムズ紙やスポーツ専門チャンネルによると、大谷翔平の年俸は大半が契約期間後に支払われる「後払い」になるという。メジャーリーグには年俸総額に応じて発生する課徴金(ぜいたく税)制度があるが、大谷の契約金7億ドルを10年で割ると、毎年7000万ドル(約100億円)となり、大谷以外にもスター選手を抱えるドジャースにとっては、大谷入団による課徴金の負担がネックとなっていた。
後払い制度は「大谷側の提案」だと報じられている。おかげでドジャースは史上最高額の「契約金」と「課徴金」を一度に支払わずに済み、大谷加入後も他選手の補強へと資金を回すことができる。
そこで注目されるのが、ドジャースの「大谷に続く山本由伸獲り」の可能性だ。ドジャースは今季の地区シリーズで3連敗。先発右腕の大量失点が敗因だった。なにしろドジャースは大谷も含めて、先発候補の5人がシーズン中に手術を受けた非常事態にある。
レジェンド左腕クレイトン・カーショーは11月、左肩手術を受けたことを明かし、復帰が2024年の夏以降になるという。エースのウォーカー・ビューラーも大谷と同じく、2度目のトミー・ジョン手術後で、開幕からの先発ローテーション入りは絶望的。さらにトニー・ゴンソリンもトミー・ジョン手術後、ダスティン・メイも右手首から右手指にのびる右屈筋腱の再建術を受けており、来季はリハビリに専念するものと思われる。
FAの目玉たる山本はドジャースに移籍すればもちろん、開幕から先発ローテーションに入る可能性は極めて高い。ましてやチームメイトには、大谷と通訳の水原一平氏がいるのだから心強い。
神戸空港からはロス直行便の国際線が出ており、オリックスファンにとっても観戦ツアーに行きやすい山本のドジャース入りは大歓迎だろう。大谷と山本のW電撃入団会見…なんてWBC優勝に沸いた2023年最後を締めくくるビッグサプライズはないものか。
(那須優子)