「宝塚歌劇Webチケットサービス」から一斉メールが送られてきた。12月19日のことだ。件名は「2024年 宝塚歌劇公演日程の見直しについて(その他の劇場公演、花組東京宝塚劇場公演、宝塚歌劇110周年記念行事)」。内容は次のようなものだった。
〈宙組博多座公演(2月25日~3月3日)/梅田芸術劇場メインホール公演(3月16日~3月26日)、宙組宝塚バウホール公演(3月6日~3月17日)は、現時点では、安全に公演ができる体制が整わないため、中止とさせていただきます。なお、宙組生の今後の出演予定につきましては、決まり次第、あらためてご案内させていただきます〉
宙組公演の中止は決定したが、今回のことは宙組だけの問題なのだろうか。宙組公演を中止にすればいい、という問題ではないのでは。これだけのことがあって、他の組がそのまま公演を続けていることが解せない。
そもそも、当時の村上浩爾専務理事(現・理事長)の「証拠をお見せいただきたい」発言があった会見を最後に、いまだに劇団側の正式な会見が行われていないのもどうかと思う。その後、週刊誌などに新たな事実が報じられてたりしているが、劇団側の会見はなく…。
公演チケットを発売しておきながら中止を決定するというちぐはぐなところに内部の混乱ぶりが伺えるが、公に向けて何も発言しないのは、隠蔽工作をしているのでは、ととられかねない。やましいことがないのであれば、正々堂々と会見すればいいものを。
2024年に110周年を迎える宝塚。すでにいくつかの記念行事が発表されていた。「宝塚歌劇110周年記念式典」「タカラヅカスペシャル2024」「宝塚歌劇110周年記念大運動会」。これらも〈公演スケジュール、稽古スケジュールの過密回避の観点から、中止とさせていただきます〉とのことだ。
が、これも中止の理由を〈スケジュール過密回避の観点から〉としたことに、若干の違和感がある。あくまでも労災がらみの長時間労働を前面に立て、パワハラ・いじめ問題はそのままスルーしようと決め込んだようにも見える。「清く 正しく 美しく」が聞いて呆れる。
(堀江南)