大震災発生直後から、自衛隊激励ライブをはじめとして復興を願って歌い続けてきた長渕剛(55)が、8年ぶりの紅白出場を決めた。長渕がどうしても譲らなかった条件と、NHKが最後まで悩んだ不安要素とは──。
「出演は実質、7月頃には内定が出ていた。しかし、『どうしても譲れない条件がある』と、長渕がゴネたため、局内で意見が二分してしまったのです」(NHK関係者)
「7月にはNHKの音楽番組『SONGS』で、被災地の子供たちと、復興のための入魂歌『TRY AGAIN for JAPAN』を歌う様子が放送されました。人一倍、被災地に対する思いが強いということをアピールしてきたんです」(音楽関係者)
「その話題になると、『被災地から優先中継させろ。これだけは譲らない』と主張してきた。実は、EXILEや千昌夫(64)も被災地からの中継出演を希望していたのですが、それを押しのけてでも『何としても歌いたいんだ!』と主張していたそうです」(前出・音楽関係者)
スタンドプレーの部分はさておき、これだけ被災地に関わってきたのだから、その気持ちは理解できなくもない。長渕が中継で演奏することは半ば確定している、とさえ言われる。しかし、NHKにとってはトラウマをほじくり返すことにもなるのだ。
「初出場した90年の紅白で、長渕は大暴走した過去があります。当時はベルリンからの衛星生中継でしたが、生放送中に『現場を仕切っているのはドイツ人ばっかり。今の日本人はタコですわ』と同行したスタッフを罵倒。さらに、進行を無視して、勝手に歌を3曲 17分にわたって歌い、大問題になりました。しばらく長渕がNHKを『出禁』となった騒動です。一部では『何とかスタジオで歌わせなければ』と焦って、本番までに説得しようという動きもあります」(前出・NHK関係者)
しかし、長渕が一歩も引かない根拠を、芸能評論家の三杉武氏はこう話す。
「長渕にしてみれば、中継を阻止されたら出なくたっていいわけです。でも、昨年はガンからカムバックした、“犬猿の仲”の桑田佳祐が中継出場をしています。もし長渕が『あいつだって中継だったじゃねえか!』とゴネたら、誰も止められる人はいないでしょう」
被災地を励ますのが目的なら、どこで歌おうがかまわないと思うのだが‥‥。