ふくだあかり 「1年で魚を100種類釣る」を達成。海から淡水まで何でもござれのオールラウンダー。テレビ「フィッシング倶楽部」(テレ玉)やスポーツニッポン「ふくだあかりの竿頭になりたい!!」などで活躍中。茨城県出身。公式ブログ http://ameblo.jp/tsuri-365/
10月に入ると、鮭が産卵するため生まれた川に遡上する風景が見られるようになります。山形県最上郡鮭川村を流れる鮭川にもたくさんの鮭が上ってきて、その様子は観光やテレビでも紹介されるほど、見応えのあるものです。
この川では、漁業協同組合の鮭鱒部会に参加している少数の人だけが、人工増殖のために鮭を捕る権利を持っているのですが、この時期のほんの数日だけ、釣り人にも許可が下ります。「鮭川鮭有効利用調査」と呼ばれるもので、第7回目になる今年は11月のわずか12日間、1日限定50人が釣りをすることができました。
水産資源保護法によって川に遡上した鮭はほんの一部を除いて捕獲を禁止されているので、これはまたとない機会。今回は私が出演している「フィッシング倶楽部」(テレビ埼玉系)という釣り番組で許可を取り、光栄にもその調査に参加できることになりました。
この調査ではルアーかフライ、餌釣りができるのですが、今回は餌を使ったのべ竿でのミャク釣りに挑戦しました。鮭の重みと引きに耐えられるように、太くて丈夫な専用竿を使います。川幅もあるので、長さは8.5メートルもあるんです。そこに竿分プラス50センチのフロロカーボンの丈夫なハリスに、水深に合わせた位置に蛍光色の目立つ目印を4つほど付けて、アユ釣り用のガン玉オモリを装着。針は海のジギングで使うようなごっつい鮭針のシングルフックを付けます。餌はサンマの切り身か、イカの切り身を赤く染めたイカタンなどがミャク釣りの主流。サンマを塩漬けにしたり、にんにくをまぶしたり、タコベイトを付けたりと、それぞれくふうします。私は欲張りなので(笑)、タコベイトを付け、サンマの切り身ににんにくをたっぷり混ぜたものを使ってみました。
採捕場所は、鮭川橋から米坂橋までの5.5キロと定められていますが、ほとんどの人が実績の高い泉田川合流点に集まっていました。私も同じポイントで釣ることに。
川に立ち入り、仕掛けを振り入れます。竿を大きく回転させて勢いをつけて振り込むのがコツで、仕掛けがポイントに入ったら、立っている位置から上流側に仕掛けを動かしてオモリを川底にはわせ、餌を先行させて鮭に見せつけるようにゆっくり流していきます。
そうすると、何回目かの流しでゴツゴツとしたアタリが! 思いっ切りアワセると同時にズッシリとした重さが伝わってきます。物干し竿のようなゴツイ竿が思いっ切り曲がってしまうほどパワフルでトルクのある引きは圧巻!
体をしっかりと安定させて腰を落とし、竿尻を足の付け根に固定させて竿を立ててしっかり曲げます。リールがついていないので、竿の弾力と体全体を使ってのやり取りしかできません。海での大物とのやり取りは経験があるけれど、のべ竿でのやり取りは海とはまったく違って、最高にスリリング! 体が持っていかれるような強烈な引きをいなしがらのファイトは、「鮭との格闘」と言っても過言ではないぐらいです。
それほど豪快な鮭を抜き上げるのはまず不可能なので、引きに合わせて徐々に自分が陸地に下がっていき、岸に引き上げるんです。こうして上がってきたのは78センチ、4.7キロにもなる立派なオス。顎が突き出て、歯が鋭く、体には赤いストライプが出ていて迫力満点。「これぞ鮭!」というのが釣れました。全体的に見ても、これはなかなかのサイズです!
その後、慣れてきたらくふうができるようになりました。流れに合わせて流していく途中で竿先を止めて餌をフワッと漂わせて誘いを入れるとアタリが連発!パターンを見つけることができたので10匹以上ヒットさせることができ、制限時間の14時まで目いっぱい鮭釣りを楽しめました。
生まれた川の水のにおいを嗅ぎ分け、何年たっても同じ川、同じ支流に上って産卵をする鮭の神秘は、釣り味とともに感動を覚えるほど。通常では経験できないこの鮭釣りができたのはすごく幸せなことでした。鮭が遡って来てくれる豊かな川と、その努力をしている漁協の方々、調査に参加できたことに感謝して、また来年、強烈な引き味と自然を感じにこの川に戻ってきたいと思います。
──「漁亭あかり」の釣り魚クッキング《チーズたっぷり鮭グラタン》──
鮭はサーモンとも呼ばれ、世界各国で愛されています。スーパーでもよく見かけるほど手に入りやすく、おにぎりの具や塩焼きは日本人にとって定番中の定番。味噌ベースの野菜たっぷりのお鍋に入れれば石狩鍋になるし、野菜とともに焼くチャンチャン焼きもおいしい。塩漬けや、くん製にして長期保存もできるし、寿司ネタやルイベでもいただける万能な魚です。
鮭の身の赤色には「アスタキサンチン」と呼ばれる抗酸化作用を含む成分が入っていて、女性にはうれしいかぎり。皮にはコラーゲンもたっぷりで栄養も満点! 今回はそんな鮭の身をたっぷり使ったグラタンを作ってみました★
【作り方】(1)鮭は塩コショウで下味をつけ、バターを熱したフライパンで火を通す。(2)ジャガイモと玉ねぎは厚さ3ミリに切り、耐熱容器に入れて電子レンジで加熱して火を通す。(3)バターを耐熱皿に塗り、ジャガイモと玉ねぎを盛りつけ、塩・コショウ・顆粒コンソメで味を付け、鮭を乗せる。(4)グラタン用ホワイトソースを全体にかけ、パン粉・チーズを乗せ、トースターでチーズが溶けるまで焼き、最後にパセリを振りかければ完成!
鮭のうまみと熱々のソースとチーズが寒い冬にピッタリ。ぜひ、試してみてくださいね★
【材料】鮭:2切れ 塩:ふたつまみ コショウ:少々 ジャガイモ:1個 玉ねぎ:半分 グラタン用ホワイトソース:1カップ ピザ用チーズ:70グラム パン粉:少々 顆粒コンソメ:大さじ1 バター:少々 パセリ:少々
ふくだあかりが出演する、かつてない釣り番組!「フィッシング倶楽部」 http://www.fishing-club.jp/ テレビ埼玉・BS12 TwellV(トゥエルビ)他、各放送局で放送中! http://www.fishing-club.jp/station/ ぜひご覧ください