テリー 新田さんは国民的アイドルだったけど、いつお会いしてもきちんと生きている感じがあるよね。
新田 そうですか?
テリー 大病もさらっと受け流すようなところは、本当に魅力的ですよね。
新田 ありがとうございます。
テリー 脱いだりとか、そういう方向をやる気はないんですか。
新田 グラビアはやらせていただいたことはあるんですけどね。そっちはやらないです。
テリー やってみてよ。
新田 本人は少しでもきれいなうちに残しておきたいとは思ってますけど、主人との戦いが大変なんですよ(笑)。
テリー ご主人がまだそんなこと言ってる!
新田 まだ言ってます。
テリー ということは、新田さん自身は胸ぐらい出してもかまわない?
新田 いやあ。
テリー 脱いじゃえば。俺が撮るから。
新田 ハハハ。でも、美しいうちに、ギリギリまで撮りたいなとは思いますよね。
テリー 新田恵利のギリギリって、どこまでがギリギリなの?
新田 どうでしょうね。やっぱり色が変わるところは出さないっていうことですかね。全部肌色でお願いします(笑)。
テリー 編集部に言って、バストトップの色はデビュー当時の30年前の色に修整してもらうってのはどう。
新田 ウソはダメです(笑)。
テリー じゃあ舞台とか映画で裸の役が来たら?
新田 若い頃、事務所の女性マネジャーに「脱ぐことができなきゃ女優はやれない」って言われたんですよ。その時に「あ、私は女優はできない」と思って、以降女優という肩書は絶対につけてないんです。
テリー そうだったんだ。
新田 演じるほうじゃなく、いい作品を書くほうにいきたいですね。もともとエッセイやSFファンタジーを書いたりしているので。
テリー なるほど、作家活動もいいね。おニャン子って当時は大人気だったじゃない。芸能界の中で生きているのはどうだったの?
新田 私にいちばん最初についた現場マネジャーさんがとってもいい方だったんですよね。
テリー どんなふうに?
新田 年を重ねれば重ねるほど感謝してるんですけど、とにかく「普通でいなさい。電車にも乗れないような人間になるな」って言って、荷物も自分で持てるものは自分で持ちなさいっていうタイプだったんです。
テリー なるほど。
新田 その頃、アイドルのマネジャーさんは手鏡を持って、すぐタレントにさっと差し出すのが普通だったんです。
テリー つきっきりでね。
新田 でも、うちのマネジャーさんは、手鏡も一切持たない。母にも「実るほど頭を垂れる稲穂かな」というのを毎日毎日言われていたので、なるべく普通に生きてきました。
テリー でも、当時から熱狂的なファンに囲まれていたでしょう。
新田 昔は「追っかけ」って言ってましたけど、中には家の壁をよじ登って入ろうとする人もいましたね。
テリー うわ、そんなヤツがいたんだ。
新田 夜中に、人が落ちていく音が「ダダダダッ」と聞こえて。私は2階で寝ていて、ちょっと出てる窓のサッシのところから。
テリー 警察に連絡したこともあったの?
新田 本当に侵入された時には。
テリー じゃあ中まで入られたこともあったんだ。
新田 はい。洋服や写真を持っていかれたので、警察を呼びました。
テリー 泥棒はどうやって入ってきたの?
新田 田舎だから、鍵をかける習慣がなかったんです。それで玄関から入ってきちゃって。
テリー 下着とか盗まれた?
新田 はい。
テリー 新田恵利の下着だもんな。そりゃ盗むわなあ。絶対かぶってたと思うよ。泥棒が入ったっていうのは、当時新聞に載ったの?
新田 いえ、新聞には載らないですし、警察も「金品盗まれてないんでしょ。そういう仕事をしてたら、しょうがないよね」って。
テリー うわぁ。時代だなぁ。今だったら「スッキリ!!」のトップニュースだよ。
新田 そうかもしれないですね。