スポーツ

世界の福本豊<プロ野球“足攻爆談!”>「今年、大谷翔平が注意すべきこと」

 明けましておめでとうございます。福本豊です。新年一発目なので名乗ってみました。今年も大好きな野球について、色々語らせてもらいます。

 それにしても大谷翔平。ドジャースとの10年総額で約1015億円の契約はメジャー史上最高どころか、スポーツ史上最高額になった。それが日本人というんやから、誇らしい。大谷ひとりで万博が開催できる。1000億円を超える国民負担が問題になっている2025年の大阪万博。比較するのが国の事業になるんやから、改めてすごい契約や。右ヒジを手術して投手として復活する保証はないのに、ドジャースにとっては大きな賭けになった。

 本人は神経をすり減らす日々になるだろう。給料に見合うだけの活躍をしないとアカンのやから、プレッシャーは半端やない。相手投手は注目される大谷との対決では目の色を変えてくる。今年、打者に専念するならば、ホームラン王争いが最低ノルマ。2年連続でキングになれるかどうかは運もあるけど、タイトル争いはしなアカンやろね。それには大前提として試合に出続けること。極端な話、道を歩くのさえ気を遣う。交通事故に巻き込まれたらアカンし、転んでのケガもダメ。おなか壊さないよう、食べる物にも注意が必要。大谷は会見で「努力し続けます」と言ったけど、今後10年、ほんまに野球のことだけを考えての生活になる。

 大谷で感心したのが、契約満了後に97%を受け取る後払いにしたこと。他の選手の獲得に球団の資金を回すのが狙いだという。球場と家、ホテルの行き来だけで、お金も必要としていないんやろね。会見では「勝つというのが僕にとって今いちばん大事なこと」と話していたけど、異例の契約方法からも本気度が伝わる。エンゼルスでの6年間はポストシーズン進出は1度もなかった。MVPは2度獲得したけど、頑張ってもチームが勝てない寂しさは感じていたと思う。やっぱり野球選手の一番の醍醐味は、個人のタイトル争いより、チームとしてのヒリヒリした優勝争いの中でプレーすることやから。

 その大谷に誘われて、山本由伸もドジャース入り。12年約460億円は投手史上最高額という。まだ25歳と若いが、肩、ヒジが消耗品と言われる投手で12年の長期契約は異例。メジャーで1回も投げていないのに、これだけの評価を受けたのは、メッツで昨年12勝をあげた千賀の存在が大きい。日本での成績を比較して、ドジャースは絶対に活躍できると確信したんやろね。1年目から最低でも2ケタ、15勝を期待されとるんと違うかな。プロ野球史上初の2年連続で投手4冠に輝き、球威、変化球の精度、制球力を兼ね備えた完成された投手。由伸が活躍できないとなると、その後に続く日本人選手の契約に影響を及ぼす。日本代表の気持ちを持って、メジャーに殴り込んでほしいね。

 今回の大谷と由伸の契約は、子供たちにも大きな夢を与えたと思う。大谷が全国の小学校に寄付したグラブも届き始めていると聞く。そのグラブでキャッチボールをしたことをきっかけに、本格的に野球を始める子供が増えると思う。

 とにかく今年は、大谷が本塁打王、由伸が最多勝を獲って、ドジャースのワールドシリーズ制覇も夢物語ではない。僕も朝からテレビの前で釘づけになる日が増えるのは間違いない。

福本豊(ふくもと・ゆたか):1968年に阪急に入団し、通算2543安打、1065盗塁。引退後はオリックスと阪神で打撃コチ、2軍監督などを歴任。2002年、野球殿堂入り。現在はサンテレビ、ABCラジオ、スポーツ報知で解説。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
獲得球団現れず…田中将大「1億円の大台」に固執なら「バナナの叩き売り」状態になる
2
【カナダの湖で大騒動】熊より巨大な肉食獣「ユーコン・ビーバーイーター」は巨大なナマケモノだった
3
4種類の抗ガン剤と副作用、そしてかかった治療費は…/東大病院でガン治療を受けた猫③
4
田中将大「日本で移籍先ナシ」で急浮上した「来春メジャーキャンプ招待選手」の選択肢
5
「大連敗ストップ」太川陽介に追い風が吹く「九州でバスVS鉄道」激突の「大分と熊本の恩恵」