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日大・田中英寿元理事長の「黒光りする経歴」

 1月13日に日本大学の田中英寿元理事長の訃報が流れた。享年77。相撲界に多大なる功績を残した一方、脱税事件により晩節を汚した。毀誉褒貶激しい「日大のドン」伝説を振り返る。

 角界OBはこう打ち明ける。

「アマチュア相撲の名選手。日大相撲部時代から実力は三役クラスと評判でした」

 青森県出身。67年に大学3年生で学生横綱を獲得。卒業後は日大農獣医学部体育助手兼相撲部コーチに転身するも69年、70年、74年とアマチュア横綱を戴冠。80年に現役を退くまでに計34個のタイトルを手にした。前出・角界OBが日大関係者の間で語り継がれるエピソードを披露する。

「1学年後輩の元横綱・輪島も、手も足も出ない存在だった。当時から日大相撲部の合宿所と輪島のいた花籠部屋は隣接していて、合同稽古を行うなど交流が深かった。その一環で、71年に輪島が新入幕を果たしたタイミングで2人が十番勝負をしたのですが、輪島さんが田中元理事長に土を付けることは一度もなかった。以後、世間体を気にして2人が人前で相撲を取ることはなくなった」

 83年には日大相撲部監督に就任。舞の海秀平(55)や追手風親方(57)=元幕内大翔山=ら数多の力士を大相撲に輩出してきた。一方で、光あるところに闇があるのは世の常。ドス黒い余聞にも事欠かない。角界関係者が語る。

「教え子にあたる境川親方(61)=元小結両国=とは折り合いが悪かった。というのも、親方が腰のヘルニアを患って休養していた大学3年生の時に『使いものにならん奴は早く国に帰れ!』と田中元理事長と奥さんからパワハラまがいの叱責を受けていたようなんです。かなり精神的に追い込まれていたみたいで、今でも親方は酔っ払うと当時の恨み節をしばしば漏らしています」

 それだけに、2人の遺恨は最後まで晴れることはなかったようで、

「埼玉栄高校から日大への推薦入学が内定していた武隈親方(37)=元大関豪栄道=を境川部屋に入門させている。早期の角界入りを望んでいた武隈親方の意向を汲んだとはいえ、田中元理事長からすれば有望株を横取りされたも同然。さらに両者の溝を深める結果になりました。そのため今も、学生本人の強い意向がなければ、境川部屋に日大出身の力士が入門することはありません」(前出・角界関係者)

 08年に日大理事長に選出されるも21年に所得税法違反の疑いで逮捕。22年には日本相撲連盟の副会長も辞任している。

「晩年はガンの治療で入院していたそうです。もちろん、相撲界への影響力もなくしていました。学生横綱だった輝鵬(24)が日大の息がかかっていない宮城野部屋に入門した時にも激怒したといいますが、後任の林真理子理事長(69)は新十両昇進のタイミングで化粧まわしを贈呈している。田中元理事長が健在だったら考えられないことでした」(前出・角界OB)

 ぬめぬめと黒光りした経歴で名声と悪名を同時に残した昭和の怪物に合掌。

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