自民党の政治とカネ問題をめぐり、「政治刷新本部」による政治改革の中間とりまとめ案が、どうにもおかしい。派閥は「政策集団」に変わる上で、政治資金パーティーの開催禁止を盛り込んだものの、政治家個人が開く場合の、外国人によるパーティー券購入禁止は入らなかったのだ。
産経新聞の1月25日のコラム「極言御免」では、
〈外国人からの寄付は閣僚のクビが飛ぶほどの重大事であるのに、外国人のパーティー券購入は度外視するのは筋が通らない〉
と猛批判が展開されている。
平成23年(2011)年3月6日、当時の前原誠司外相は、在日韓国人から25万円の違法献金を受け取っていたとして引責辞任した。菅直人首相も同じく、在日韓国人から104万円の違法献金を受け取っていたとして追及され、追い詰められていたところに同年3月11日、東日本大震災が発生したため、この問題はうやむやのまま終わった。
「政治刷新本部」では小野田紀美前防衛政務官が「この抜け穴は絶対、防がなきゃいけない」と問題提起したにもかかわらず、無視された形だ。
岸田文雄首相が会長を務めていた宏池会の政治資金パーティー「宏池会と語る会」では、中国人らが多数参加していた様子が目撃されている。岸田首相は、知らなかったでは済まされないだろう。
(喜多長夫/政治ジャーナリスト)