参院選・岡山選挙区で、自民党と創価学会の内ゲバが勃発している。
自民党・現職の小野田紀美氏は全国で唯一、公明党の推薦を事実上、拒んだ候補として話題になっており、立憲民主党、国民民主党が推薦する無所属の黒田晋氏と一騎打ちの様相を呈している。
SNSでは「公明党議員が講演会で黒田氏への投票を呼びかけた」「学会は自主投票と言いながら、黒田氏の選挙運動をしている」など、創価学会が小野田氏の「落選運動」を展開しているとの「暴露」が相次いでいる。またこれが、いわゆる「保守派」を刺激し、「岡山で圧勝し、公明党を与党から追い出せ」とまで盛り上がる勢いなのだ。
SNSを見ると、「岡山の創価学会へ 10万円給付の手柄を公明党に横取りされたと、小野田は言っています。連立している自民党だからと、小野田に投票する義理はありません。(中略)小野田も落選引退に追い込みましょう」との書き込みがある。これが公明、学会側の本音なら、自民も腹を立てるというもの。永田町関係者によれば、
「自民党の保守派は参院選後、憲法改正が待ったなしと考えており、公明党に圧力をかけたい。岡山での選挙戦は絶好の機会です」
高市早苗政調会長、安倍晋三元総理らも小野田氏の応援ため、岡山入りしている。
作家の竹田恒泰氏は自身のYouTubeチャンネルで、参院岡山選挙区について、次のような持論を展開している。
「公明党が離れて負けたら、公明党が自民党を支えていることになる。この選挙、小野田氏を落としてはダメです。岡山の話ではない。日本の、自民党の未来がかかっています。勝てば、公明党がなくてもいける、となる。ここは大きい」
その上でさらに、
「公明党の票がいらないと言ったことで票が増えることを、全国の自民党に見せつけたい」 とも述べたのだ。
小野田氏はモデル経験もある女性候補で、率直な言説が売りだ。学会は16年の参院選では小野田氏を支えたが、憲法観や安全保障政策で小野田氏との違いが明確になり、互いに不信感が芽生えていた。
そんな中、参院選前に小野田氏が「選挙は自由にやるのが自然ですよね」と語り、自ら「公明離れ」を宣言。小野田氏は、自公の枠組みで当選してきた自民岡山選出の国会議員や党幹部の説得にも応じなかった。
16年の参院選で、小野田氏は43万7000票を獲得し、次点に10万票の差をつけた。岡山の学会票は約10万票。今回の小野田氏の得票数が、参院選後の政局に影響しそうである。
(健田ミナミ)