昨シーズン、DeNAベイスターズで旋風を巻き起こした超大物投手トレバー・バウアーの去就が決まらない。フリーエージェントながら、2021年にプライベートで引き起こした知人女性への暴行疑惑が契約上のネックとなり、メジャーリーグ球団との契約は膠着、合意には至っていない。残されている数少ない選択肢には日本の球団もあるのだが、キャンプインは2月1日に迫っている。セ・リーグ関係者が明かす。
「日本の複数球団が獲得調査に乗り出していましたが、高額年俸とワガママな性格が障害となっています。あるセ・リーグ球団もバウアーの代理人と話を詰めていましたが、所属する既存の外国人野手が『バウアーとは一緒にプレーしたくない』『チームメイトになるなら、自分が退団する』と頑なに拒否反応を示したといいます。バウアーが感情をコントロールできず、自己中心的な行動を起こすことは、メジャー時代から知られていますから。周囲と軋轢を起こす劇薬で、チームを壊す可能性もありますし、栄光をもたらす可能性もあります。獲得する側も大きなギャンブルになりますよ」
バウアーは高額年俸と「個人タイトルを狙えるか」「優勝を争える球団か」「ファンを楽しませられる球団か」という条件を要求している。スポーツ紙デスクが苦笑する。
「条件面はこれだけでなく、遠征先での待遇や起用方法まで、細かく設定しているようです。はたしてその細かい要求に応じる球団があるのか、不透明ですね」
トラブル覚悟で大バクチを打つ球団は現れるか。そして今季はどんなユニフォーム姿でプレーすることになるのか。
(田中実)