何十年かぶりに出かけた東京競馬場の第1回、2日目。
地方営業のドサ回りから大都会にやってきたような気分で、少々気後れしながら、勝負は9、10、11の3レースのつもり。
レストランはフロアの各所にある。麺類、丼物、カレーなど、全国のギャンブル場にある食べ物はおそらく全部、揃っている。どの店も地方とは異なり、明るくて清潔感がある。だが、ドサ回りの癖が抜けない。旅情があるとか、府中ならではの食べ物を探してみる。
2階の馬耳東風軒の真向かいに構える「ココロ焦ガレ」という変わった名前の店に、するめいか焼き(700円)があった。甘めのタレで味付けして焼いた肉厚のするめを、マヨネーズをつけて食べる。ちょっとだけ、ギャンブル場にやってきた気分。いざ、孤独のギャンブルのスタートである。
9R、3歳1勝クラスのセントポーリア賞から。芝1800メートル、9頭立てのレースだ。馬を見る目はないけど、馬体重はチェックする。大幅な増減がある馬は買わないのが基本。9頭のうち①は6キロ増だが、この程度は許容範囲だ。
人気もチェックだ。6番人気以下の馬が3連単に絡むのはせいぜい1頭で、たいていは5番人気までが2頭か3頭絡むというのがセオリーだ。裏を返せば、人気薄の馬が勝って大穴になるような馬券は取ることができないわけで、穴馬が1着に来たら諦める。つまり人気上位の馬を買って、3連単の好配当を狙う。
1番人気⑤トラジェクトワール、2番人気③ポッドテオ、そして前走は1600メートルながらタイムがよく、初勝利を飾った⑧ブラトマンの3頭を1着に、2着3着に④カフェグランデ、⑦ペッレグレーニを加えたフォーメーション36点の馬券を買った。
レースは中段につけ、直線で内から抜け出した⑦が勝ち、2着③、3着⑧。3連単⑦③⑧で6740円だ。3番人気、2番人気、4番人気の決着である。⑦の1着を見切ったのだから、ドボンも仕方なし。
10Rは4歳以上3勝クラスの節分ステークス。14頭立て、芝1600メートルである。1600メートルの前走の持ち時計が同じ1分33秒2の⑪コントラポストと⑭クルゼイロドスルのどちらから買うか迷う。
結論は⑪から、とした。1番人気は⑭で、⑪は2番人気だった。馬券は⑪から6頭ボックスで。
結果は⑭が中段から追い込んで1着。3連単は⑭②①で、1万6990円の配当だ。1番人気の⑭から買っていたら…。タラレバだった。
そしてメインの11R。1着馬にここ東京競馬場で2月18日に行われるダートGIフェブラリーステークスへの優先出走権が与えられるGⅢ、根岸ステークスだ。4歳以上オープン、1400メートル、16頭立てである。
このレースは2人の有名人の予想も参考にさせていただいた。ひとりは立川志らく師匠。昨年9月にインタビューした際、趣味を聞いたら競馬だという。土日のメインの馬券を買っているそうで、勝負馬券は単勝1点。最近はXで買い目をポストしている。このレースは◎⑦軸、〇は⑫(単複)、▲⑩、△⑤と⑭で、馬連⑦から⑫、⑩、⑤、⑭に。
もうひとりは夕刊紙で競馬予想を連載中の、純烈のリーダー・酒井一圭さん。馬連⑩軸で相手⑦、⑪、⑫、⑭、⑯。さらに3連複⑩軸1頭流しで、相手は馬連と同じだ。
志らく師匠、酒井さんの馬券も参考に、結論は1着⑦⑩⑫から2着に⑤⑦、3着に⑤⑦⑯を加えたフォーメーションで勝負といこう。
結果は…1着が⑦で、逃げる②をぴったりマークの⑯が2着に粘り、3着⑩。3連単⑦⑯⑩9370円だった。2着⑯がないのでドボン!
ちなみに、志らく師匠のレース後のポストでは、ワイド⑦⑩270円が的中。酒井さんは3連複2070円が的中していた。
下駄履きで来ることができる東京競馬で3連敗を喫し、このまますごすごと引き下がるのは情けない。あと1レース残っている。
というわけで、最終12Rは4歳以上2勝クラス、芝2000メートル、11頭立てだ。データから②③⑤⑥⑦の5頭で勝負である。頭は1番人気の⑤ドクタードリトルか、2番人気の③エイカイマッケンロのどちらか。⑤=③から②⑥⑦の6点に絞ろうかと考えたが、絞り過ぎてドボンは何度も経験している。配当も考えて、③⑤1着からのフォーメーションとした。
レースは直線で内を一気に伸びた⑤が1着、前々で勝負の③が2着、3着に⑥。3連単⑤③⑥3860円だ。やはり最初の6点でよかった。
トリガミにはならず一矢を報いることができたが、収支マイナスで終了した。
(峯田淳/コラムニスト)