1月17日に4日目を終えた大相撲初場所。昨年の秋巡業先の鳥取で起きた元横綱日馬富士の暴行問題、またそれに端を発した一連の騒動で、良くも悪くも今まで以上に注目を集める場所になっていたが、その当事者の1人である横綱・白鵬は3日目で早くも土がつき、照ノ富士は病気休場、3月の春場所での十両転落の可能性が濃厚となっている。
そんな今場所の注目点としては、2横綱、鶴竜・稀勢の里の成績。騒動の陰に隠れていたが、この両力士はこの何場所か休場が目立っており、横綱の務めを十分果たせていない。初場所の結果次第では進退を問われる。日馬富士の引退で“4横綱時代”が終わりを迎える中、さらに横綱の引退が続くようなら、角界にとって非常に大きな痛手となる。
ところで、大相撲を初場所時に絞って振り返ると、過去5年間を振り返っただけでも、角界にとって節目となるような出来事が起きている。
2013年は“巨人・大鵬・卵焼き”として人々に広く愛された昭和の大横綱・大鵬が場所中にこの世を去り、オールドファンの間に大きな衝撃が走った。翌14年の初場所では当時大関の稀勢の里が右足の親指を負傷し千秋楽を欠場。それまで現役2位だった連続出場記録が953でストップした。15年には白鵬が、大鵬が保持していた幕内最高優勝記録である32回を上回る33回目の優勝を達成し、その後記録を40回まで更新。16年は大関・琴奨菊が日本出身力士として10年ぶりとなる優勝を飾った。そして昨年の初場所では稀勢の里が悲願の初優勝、これにより14年ぶりとなる日本出身横綱が角界に誕生した。
こうして見てくると、今年の初場所でも、まだまだ何かが起こると予想できそう。ちなみに、歴史上、最も多く横綱が引退を迎えているのもこの初場所なのだ。今回の騒動の影響で理事から降格した伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)・貴乃花親方も例に漏れず、かつて初場所中に現役引退を表明している。
例年以上の喧騒の中で迎える今年の初場所。千秋楽までの残り11日間、土俵内外においてどんな展開が待ち受けているだろうか。
(戸畑マサシ)