先日、「篠原涼子、激動離婚から3年『4月主演ドラマ』で完全復活が言われるワケ!」と題するネット記事を目にし、そうか、もうあの離婚劇から3年も経つのか、と思った。
独特なキャラと演技力の高さで人気と実績を誇ってきた彼女が2021年7月、市村正親との離婚を発表した際、長男と次男の親権を手放した。翌月発売の「週刊文春」では韓国人男性アイドルとの不倫疑惑が報じられ、イメージが大幅ダウン。その後に出演した作品は全盛期ほどの高視聴率は取れなかったが、次回の刑事ドラマでは、脚本家としても今や抜群の存在感を持つバカリズムとの共演とあり、前評判は上々で、大きな期待が寄せられている。記事にはそう記されていた。
確かにあの離婚劇を経ての「不倫疑惑」報道で、篠原が受けたイメージダウンは計り知れなかったのでは、と思う。特に子供を持つ同世代女性からの反発は激しく、筆者の周りでも「いくらなんでも身勝手すぎるわよ」「24歳上の旦那に子供を押し付けて、女として生きる道を選ぶって何!?」といった声が上がっていたことも事実だ。
2人は2001年、舞台「ハムレット」での共演で知り合い、4年後に結婚。当時、篠原の父親は猛反対だったそうで、その理由が市村との年の差に加え、出会った当時、彼がまだ妻帯者だったからだといわれる。
とはいえ、男女の仲は昔から、障害があればあるほど燃え上がるもの、と相場が決まっている。で、盛り上がった2人を誰も止めることができず、めでたくゴールイン。その後の円満ぶりに、役者同士でも年が離れていても幸せになれるんだから、といった理想的夫婦のイメージが形成される。そのまま「ともに白髪の生えるまで」的な生活が続くのでは、と多くの人々が思っていたのだが…。
篠原が市村との離婚後、初めて公の場に姿を見せたのは2021年11月10日。都内で行われた「Netflix Festival Japan 2021」のイベント会見だった。篠原は、Netflixが配信するドラマ「金魚妻」で不倫妻を演じることになり、胸元が大きく空いたドレス姿での登壇となったというわけだ。
ところでこの作品は、前宣伝でやたらと「地上波での映像化は無理」等々と、激しいベッドシーンや露出があることを強調。そんなこともあり、登壇した篠原も、
「大胆なシーンにも、体当たりで挑んだ作品。見応えがあって、ひとりひとりの物語の感情が込められています」
と作品のアピールに余念がなかった。その表情は文字通り演技者として自信に満ち溢れたもので、市村との結婚から16年目にしての離婚で、彼女が取り戻したかったのは、この「女優として」「女として」の刺激だったんだろうな、と妙に納得させられたものである。
(山川敦司)
1962年生まれ。テレビ制作会社を経て「女性自身」記者に。その後「週刊女性」「女性セブン」記者を経てフリーランスに。芸能、事件、皇室等、これまで8000以上の記者会見を取材した。「東方神起の涙」「ユノの流儀」(共にイースト・プレス)「幸せのきずな」(リーブル出版)ほか、著書多数。