立浪和義監督の就任後、中日は2年連続で最下位に沈んでいる。いったいなぜか。通算2480安打で名球会入りし、二塁打は日本記録の487という偉大な選手だった立浪和義監督だからこそ、モノ言える側近がコーチとして存在しないのではないか。そんな持論を展開したのは、中日OBの野球解説者・山﨑武司氏だ。YouTubeチャンネル〈ピカイチ名古屋チャンネル〉での指摘である。いわく、
「いちばん心配してるのは、監督が『こうだ』って言った時に、全員『わかりました』って右向け右になっちゃうことがコワい。監督が言ってることがちょっと怪しいなと思った時に『監督、それ違うんじゃないですか』って言えるコーチがいない、今の中日には…」
では、どうするか。2軍監督から昇格した片岡篤史ヘッドコーチの技量が問われるところだと指摘する山﨑氏がお手本として挙げたのは、島野育夫氏だった。星野仙一監督をコーチとして支え、第1位次政権の1988年、第2次政権の1999年、中日のリーグ優勝に大きく貢献した名参謀だ。監督を立て、選手の愚痴聞きをする「島野流の人心掌握術」があったのだとして、
「それを片岡ヘッドがやってくれれば、ずいぶん変わると思いますよ」
片岡ヘッドに求められる決意を、山﨑氏は次のように表現した。
「そこの場所にずっといようと思うコーチでなければ、言えるんですよ。僕は今年ダメだったら辞めますよ、ユニフォーム脱ぎますよって言えばいいんです。そんなコーチがいてくれると、選手って意気に感じてやるんですよ」
参謀役の行動が中日を浮上させるか、注目である。
(所ひで/ユーチューブライター)