2月13日に発表された韓国大手クレジットカード「BCカード」の調査結果によれば、韓国を訪れる外国人観光客の消費トレンドが変化していることが明らかになった。外国人旅行者の動向が、団体から個人への傾向へ、またショッピングから体験や移動へと移っているという。
2019年は業種別の売り上げでショッピングが79%と大多数を占めていたが、2023年には58%に減少した。同時に飲食業の売り上げは15%から26%に増加し、体験関連業種(即席写真、カラオケなど)は1%から7%に拡大。移動関連業種(荷物保管、高速バスなど)も1%から4%に増加した。
また、ソウル市内の地域ごとに売り上げを分析した結果では、2019年と2023年を比較すると、聖水洞では973%増加し、汝矣島では479%、漢南洞では429%の増加が見られた。対照的に、主要免税店がある小公洞では売り上げが90%減少し、蚕室3洞では88%、奨忠洞では77%減少するなど、急激な変化が明らかになっている。
売上が最も増加した聖水洞エリアは、かつては自動車整備工場や靴工場、印刷所などが繁栄した工業地域だが、数年ほど前からスタイリッシュなカフェやショップが集まる「トレンド発信地」として、韓国の若者のみならず、外国人旅行者からも人気を集めている。韓国を年に数回訪れるインフルエンサーの女性によると、
「コロナ禍前は韓国コスメや韓国ファッションの買い物が主な旅行目的でしたが、今は日本のネットショップでも手に入ります。韓国コスメはトレンドがはやく変わり、日本で話題になる頃には韓国の店頭にはないことがよくあるんです。現在はカフェ巡りやグルメ、街歩きなど『体験型』の旅行が主流となっています。美容整形を目的として行く女性も多いですね。ただし、美容皮膚科などの軽い施術ではあまりお得感がなく、本格的な整形を希望する女性に人気があるようです」
現在の円安の状況では買い物の魅力が薄れているため、日本人旅行者の中で体験を追求する傾向が高まっているのかもしれない。
(カワノアユミ)