大阪マラソンが2月25日に行われ、國學院大学3年生の平林清澄が、2時間6分18秒の好タイムでゴール。2時間4分48秒の記録を持つ実力者のスティーブン・キッサ(ウガンダ)を2秒差の2位に退け、初マラソンで優勝を飾った。MGC1位の小山直城は3位だった。
平林は前回大会でトヨタ自動車の西山和弥が記録した、2時間6分45秒の初マラソン日本記録を更新。さらに昨年の別府大分毎日マラソンで青山学院大学の横田俊吾が20年ぶりに塗り替えた学生記録の2時間7分47秒を大幅に上回る、圧巻のマラソンデビューとなった。
今大会はパリ五輪出場の最後の1枠を争うべく、MGCファイナルチャレンジの設定記録2時間5分50秒突破を目標に、多くの選手が挑んだ。ラストチャンスとなる3月3日の東京マラソンに結果は持ち越されたが、ここでも該当者が現れなければ、MGC3位の大迫傑が出場決定となる。
とはいえ今回の激走劇で、平林の走りをパリ五輪で見たい、との声が出るのも頷ける。スポーツジャーナリストが言う。
「今大会でのパリ五輪選考にあたっては、昨秋のMGC出場がかかる大会で完走するか、MGC出場資格を有するという日本陸連の基準を満たす必要がありました。今回が初マラソンの平林は、仮に2時間5分50秒を上回る快走を見せたとしても、パリ五輪には出場できないわけです。もし破っていたら、世間がただではおかないでしょうが、ルール上、やむをえない。MGC1位の小山を破っての優勝に、日本陸連の強化委員会マラソン強化戦略プロジェクトリーダーの瀬古利彦氏は、2028年ロサンゼルス五輪に向けて新たなエース登場の予感と、喜びを露わにしていました」
小山ら他の代表メンバーには、「平林待望論」を払拭する走りをパリ五輪で期待したい。
(所ひで/ユーチューブライター)