日本人トップながら、全体では2位。しかも2時間8分24秒という平凡なタイム。下田裕太(GMOインターネットグループ)は2月4日の「第72回別府大分毎日マラソン」にガッツポーズでゴールしたが、パリ五輪出場の残り一枠を懸けた「MGCファイナルチャレンジ」の男子の設定記録は、2時間5分50秒だ。優勝したのは2時間7分59秒のタイムだった、エチオピア出身のワークナー・デレセ(ひらまつ病院)。
先頭集団の一員として走行し、37キロ付近では後続を引き離そうとスパートをかけた下田は終盤に抜き返され、デレセに25秒差で及ばなかった。スポーツライターが言う。
「昨年10月15日のMGCで、下田は2時間17分26秒の45位で惨敗した。今後のレースに期待がかかるのは事実ですが、別府大分毎日マラソンは、パリ五輪の代表選考を兼ねていません。この大会は、来年に東京で開催される世界陸上の代表選考に繋がるジャパンマラソンチャンピオンシップ(JMC)の『グレード1』に指定される。シリーズⅣ(2023年4月~25年3月)でポイント制のチャンピオンになると、マラソン日本代表に内定します。下田のマラソン自己記録は、2020年3月1日の『東京マラソン』で、2時間07分27秒。パリ五輪の代表選考大会は、大阪マラソン(2月25日)、東京マラソン(3月3日)の残り2レースです。パリ五輪の設定記録を破るのは難しいと判断し、将来に向けた勇気ある選択と考えられます。ただ、テレビ解説の瀬古利彦氏が、優勝は2時間6分台、せめて2時間7分台をとエールを贈っていましたが、いずれもかなわなかった」
マラソン界底上げのためにも、下田の今後の記録アップが待たれる。
(所ひで/ユーチューブライター)