最近の研究によって“肥満が脳の認知能力を低下させ、頭を悪くする”という結果が出たという。最近では、肥満はひとつの立派な病気とさえ位置付けられているのだ。
肥満の方には衝撃的なニュースが立て続けに入った。英国の日刊デイリーメールによれば、肥満代謝外科関連の研究を行ったブラジルのサンパウロ大学のシンシアセール加藤教授チームの研究結果を引用して、〈肥満代謝手術を受ける前後の脳の活動を比較した結果、手術後の認知能力が以前よりも改善されたことがわかった〉と報じている。
つまり、裏を返せば肥満が認知能力を低下させ、認知症のリスクを高めると主張しているのである。研究チームは、肥満が頭を悪くする原因をインスリンの作用のためと見ている。
同様の事実は、オックスフォード大学のマイケルゴールドエーカー博士も医学雑誌に発表している。この研究によれば、「30代後半まで肥満だった人が認知症を発症するリスクが高い」というのだ。
またワシントンD.C.で開かれた北米神経科学学会でオーストラリア国立大学の神経科学者、ニコラス・チェルビン博士はこう語っている。
「体重が増えるほど、脳が収縮する可能性がある。8年におよぶ最新の研究から、肥満体の被験者では、大脳辺縁系の一部である海馬が1年で2%近く収縮していることが明らかになった」
ウエストが太くなると、海馬は細くなる。肥満のあなた。さあどうする。