家族全員が寝静まった深夜。悪夢にうなされてふと目覚めると、月明りでぼんやり照らされた部屋の片隅に、ひとつの人影が浮かび上がっている。夢か幻か…。いや、影はずっとこちらを見ている。だが、顔は見えず、姿もはっきりとしない。
ところがしばらくすると、その影がこちらに近づいてくるではないか。やがてベッドにのしかかると、首に手をかけて…。
これが、世に言うところの「シャドーピープル」と呼ばれる怪奇体験だ。
シャドーピープルはシャドーマン、あるいはシャドーパーソンとも呼ばれ、2000年代前半からアメリカを中心に、世界各地で報告されている怪奇現象。超常現象研究家の解説を聞こう。
「その名の通り、真っ黒な人影が現れて動き始める、というもの。体験者によって、影が現れる前にポルターガイスト現象が起こったり、部屋中に焦げ臭いにおいが充満した、という証言もあります。ただ、現れてもすぐに消えてしまうため、当初は幻覚を見たのでは、と片付けられていた。近年は動画撮影されるようになり、その信憑性が増すことになりました」
当初、目撃情報の多くは「ただ動かずに、じっとこちらを見ているだけ」「近寄ってきても何もせずに、すぐに消えた」というもの。それが近年では「ベッドの上に覆いかぶさってきた」「触れた後に体調不良に悩まされている」など、「直に接触」したことへの被害を訴える事例が急増している。前出の超常現象研究家が、エスカレートした事例について語る。
「中にはシャドーピープルに体当たりされた、殴られたという証言もあり、当初あった目撃者自身の幽体離脱説は覆ってしまった。現在は幽霊説、あるいは未確認動物(UMA)として扱うべきではないのか、という声も上がっています」
シャドーピープルの出現はなにも部屋の中に限ったことではなく、2007年7月にはカリフォルニア州フレズノにある公園での目撃情報をはじめ、ケンタッキー州ルイヴィルの激ヤバ心霊スポット「ウェイバリー・ヒルズ・サナトリウム」、さらには通称「ゾンビロード」と呼ばれるミズーリ州グレンコーのローラーフォード・ロードでも、たびたび目撃情報が。
しかもこのシャドーピープル、実は日本の浅草寺でも目撃談が残されているというから、驚くばかり。やがて日本でも蔓延するというのか…。
(ジョン・ドゥ)