どうしたものか、世の中には周りの人間が「あの人だけはやめた方がいいんじゃないの」と口を揃えて反対しても、「ダメよ、あの人には私が必要なの!」とばかりに、なかなか耳を傾けない「ダメンズ」好きな女性がいるものだ。
むろん本人がそれで満足し、周りに迷惑がかからなければ、それはそれで問題はない。ただ、悲しいかな、そのダメンズが問題を起こすケースが数多くある。その結果、女性が痛い目を見ることになってしまうのだ。
南野陽子の元夫・K氏が静岡県内の社会福祉法人の資金を着服したとして、業務上横領の疑いで逮捕されたのは、昨年11月21日である。翌22日、南野は所属事務所を通じて、次のようにコメント。
「ショックです。何故…悲しさ、怒り、情けなさ…いろんな感情が湧いています。どのような事が行われていたのか全くわかりませんが、夫にはきちんと向き合ってほしいと思っています」
被害を受けた人々に謝罪したが、5日後の11月27日に大きな結論を出すことになる。
「私事ですが、離婚いたしました。お互いに今向き合うべき事から目を背けることなく、今後の人生を歩んでいきたいと思います」
南野と4歳下のK氏は、2011年3月3日、桃の節句に京都の平安神宮で挙式。翌4日に都内で行われた結婚報告会見では、1000万円を超える高級ブランド、ハリー・ウィンストンの4.5カラットのダイヤがちりばめられた婚約指輪を披露し、
「私は晩婚。スケバン(晩)でした」
自身の代表作「スケバン刑事」にひっかけ、アラフォーにしてつかんだ幸せを、弾けるような笑顔で語ったものである。
南野いわく、K氏は都内でIT関連会社を営む「剣道に真剣に取り組んできた」男性で、PL学園高校時代には団体戦で全国優勝。私大の体育学部に進んだ剣士、だという。ところがそんなK氏と結婚後、すぐに飛び出したのが、金銭トラブルをめぐる報道だった。
「週刊新潮」に「南野陽子が挙式した『ITセレブ社長』にプアな家賃滞納」と題する記事を掲載されたと思ったら、「FRIDAY」も「新婚・南野陽子を悩ます『IT社長夫の総計4億8000万円巨額金銭トラブル』という記事で追随。その後も銀座のクラブママとの不倫と隠し子報道も出たことで、周囲は南野に「真剣に離婚を考えた方がいいんじゃない」と勧めていた。
ところが南野は「この人の良さをわかっているのは私だけ」「私が見放したら、この人はきっと立ち直れない。ついていてあげなければ」という「ダメンズ」好き女性に共通する聖母マリア的母性で、離婚に踏み切ることはなかった。
とはいえ、さすがに仏の顔も三度まで。波乱に満ちた12年8カ月に及ぶ結婚生活は、ついに終焉を迎えたのである。
(山川敦司)
1962年生まれ。テレビ制作会社を経て「女性自身」記者に。その後「週刊女性」「女性セブン」記者を経てフリーランスに。芸能、事件、皇室等、これまで8000以上の記者会見を取材した。「東方神起の涙」「ユノの流儀」(共にイースト・プレス)「幸せのきずな」(リーブル出版)ほか、著書多数。