SUPER EIGHT(関ジャニ∞から改名)の安田章大は、ロン毛で色つきサングラスをかけている。女性さながらの長髪は、4月から上演される主演舞台「あのよこのよ」の役作りのためだ。舞台は5月まで上演され、ハードスケジュールではないが、体調面が心配される。安田は32歳だった2017年に、脳腫瘍の一種である髄膜腫が見つかっているからだ。
ドームツアーの直後に発見された腫瘍は、直径8センチ。12時間に及ぶ100針を縫う開頭手術で一命をとりとめた。元来、ガン家系であったため腹をくくっていたが、生活が一変した時には絶望した。
いまだ後遺症を抱え、光過敏のためにサングラスが手放せない。しかし昨年はその個性を逆手にとって、アイウェアブランド・GROOVERとコラボレーションしたサングラス、GROOVER×SHOTA YASUDA「i」を発売。自身のマストアイテムにもなっている。
「壮絶な実体験を踏まえ、安田はビジネススポーツなどの分野で広く利用される米国発の実践心理学、カウンセリング『NLP』のライセンスを取得しています。旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)時代には、カウンセリングの部署を立ち上げようと、本気で動いたこともあったとか」(アイドル誌ライター)
大病を患ったことで、生の価値観が大きく変わった。三半規管が弱くなったため、趣味のダイビングはできなくなったが、命をいただくことを体感できるジビエ(狩猟で獲られた食材)と出会った。生と死、死と食の連鎖を考えると、どんどんハマッていった。前出のアイドル誌ライターは、
「もう『肉芸人』寺門ジモンの域に達しているそうです。自宅には冷凍庫が4つもあり、鹿、熊、猪を常備。漁師やマタギの友人が日本のあらゆる地域にいて触発され、将来は猟をする真のマタギになりたいのだと。人にごちそうするのは『提供』、食材を手に入れるのは『仕入れ』と呼んでいます」
4年前、「関ジャニ∞クロニクルF」(フジテレビ系)の企画「最強ジビエ 冬眠前の熊肉を頂く」で、メンバーの横山裕と食した。安田は岐阜・飛騨高山で猟師をしている収録先の男性が気になるあまり、前日に単独で訪問。冬眠前の熊肉と、夏に獲れた熊肉を食べ比べて、興奮を抑えられなかった。メンバーの村上信五には、プライベートで熊や鹿をふるまったことがある。「この鹿はあぶって」「こっちは鍋で」と「提供」に強くこだわった。
病気の後遺症だけではなく、ジビエとも一生のお付き合いとなりそうだ。
(北村ともこ)