女子プロレスの人気が本格的に再燃しつつある。3月6日には世界最大のプロレス団体「WWE」が、ブル中野の殿堂入りを発表し、プロレスファンは大いに沸いた。格闘技記者の大谷泰顕氏が言う。
「実は30年の取材歴がある割に、女子プロレスだけは門外漢に近かった。それが縁あって取材を始めてみたら、男子以上にハラがすわった選手が目に入ってきたんです。それが昨年、WWEから凱旋したSareeeでした。最近の女子プロレスは可愛さ、キレイさで語られることが増えましたが、彼女は『まずは闘いを見せろ』と問題提起をした。実際にもの凄いハードヒットの試合をして、対戦相手を震え上がらせます。昨夏の中島安里紗戦の映像を編集者の箕輪厚介氏に映像を見せたところ、『ガチじゃないですか!』と驚いていましたね」
他にも女子プロレスが注目される理由があると、大谷氏が続ける。
「今年に入ってすぐ、新日本プロレスに次いで業界第2位の売上15億円を弾き出す女子プロレス団体『スターダム』が揺れました。創設者であるロッシー小川さんが契約解除され、新団体を立ち上げる話が浮上しています。要はスターダム一強だった日本の女子プロレス界に、新たな業界再編が起こる。そんな折、たまたまキューティー鈴木さんに現役時代の話をうかがって記事を掲載したところ、結構なアクセス数を出すことができました。久しぶりの登場でもあったし、引退から時間が経過したことで、出せる話や初めて公になる裏話が目を引いたんでしょうね」
4月にはダンプ松本をモチーフにした映画「極悪女王」が配信予定。彼女のほか、多数のスター選手を輩出した全日本女子プロレスでは、令和の今では考えられない「かわいがり」があったことは、知られた話だ。
「それを含めて、どこまで描かれているのか気になりますね。そうして各方面から女子プロレスの話題が連鎖して出てくるから、自然と女子プロレスが注目されることになります」(前出・大谷氏)
昨年は元祖アイドルレスラーのクラッシュギャルズが結成40周年を迎え、復活した。昭和、平成に続き、令和における女子プロレス人気は、どこまで拡大していくのか。
(小津うゆ)