序列変化が現実のものとなりつつある。日本大学の志願者が速報値で約2~3万人も激減となったのだ。2023年まで約10万人だった受験者は、7万人前後になりそうである。
その原因となっているのが、アメリカンフットボール部員による寮内での違法薬物事件であることは明らかだ。
一連の対応によって、日本大学のガバナンスの甘さが指摘され、副学長や学長が辞任する事態が発生。大学のイメージが急落していた。
「不人気によって受験者数が減れば、大学のレベルも落ちてしまいます。日本大学の2025年入試偏差値は、下落することが確定的。序列が下がって『日東駒専』グループで東洋大学に抜かれ、駒沢大学や専修大学と同じようなランクになりそうです。学部によっては『大東亜帝国』(大東文化大学、東海大学、亜細亜大学、帝京大学、国士舘大学)の人気学科より、難易度の低い学科が出てくることが予想されます」(教育ジャーナリスト)
そうした苦境を尻目に、2024年度入試において急激に人気上昇傾向にあるのが、青山学院大学で、
「18歳の人口が減っているにもかかわらず、底堅く受験者を集めています。数十年前までは『アホ学』なんて呼ばれていましたが、キャンパスの都心回帰などの改革によってオシャレなイメージで人気を高め、今では難関校と言われるように。日本大学とは真逆で、体育会系がイメージアップに貢献しました。原晋監督率いる陸上部は、箱根駅伝で優勝。野球部は東都大学リーグで強豪となり、昨年のドラフト会議では楽天イーグルスに主将の中島大輔外野手、阪神タイガースに下村海翔投手、広島カープに常広羽也斗投手が指名されました。知名度がアップして、地方高校へのPR効果は大きかったようです」(前出・教育ジャーナリスト)
各大学のイメージ戦略が、偏差値や難易度に大きく影響しているようだ。
(佐藤恵)