近年、撮り鉄が立て続けに列車を止めるなどの事件を起こしている。貴重な車両が走ったり、普段は走らない路線を走行するなど「大ネタ」の場合に起こることが多い。そして今春、大ネタとして注目されているのが、秩父鉄道が運行しているSL列車「パレオエクスプレス」だ。
普段はC58形蒸気機関車363号機が12系客車4両を牽引しているのだが、4月13日、14日、20日、21日の4日間だけ、JR東日本のぐんま車両センターが所有する旧型客車を牽引する。これに撮り鉄が集まるのは間違いないと、鉄道ライターは予測する。
「C58形蒸気機関車、通称『シゴハチ』が旧型客車を牽引するのはなんと、25年ぶり。旧型客車は昭和初期に製造され、今は数えるほどしか残っていません。そんな貴重な客車なので、どこを走っても撮り鉄が集まるのですが、今回は25年ぶりに秩父鉄道を走るので、撮り鉄が日本中から訪れるでしょう」
となれば心配になるのが、トラブルだ。大勢の撮り鉄が殺到すれば、それだけいざこざが起こる可能性は高くなる。不安になる要素はほかにもあると、鉄道ライターが続ける。
「秩父鉄道は撮影できるポイントが多いとは言えないため、定番の場所に撮り鉄が集中することになります。また4月13日と14日は、桜が咲いているかもしません。そうなれば、桜とともに撮れる場所に集まるでしょう。線路や道路にはみ出したり、三脚を置く場所をめぐって撮り鉄同士でケンカになることも考えられます。当日はパトカーが沿線を走り回る厳戒態勢になってもおかしくありません。唯一の救いは、4日にわたって走ること。もし1日だけなら大パニックになったでしょう」
無事に運行されることを祈るしかなさそうだ。
(海野久泰)