関東と関西には、土曜日の午前と午後を明るく彩る生番組がある。関東は「王様のブランチ」(TBS系)。佐藤栞里や藤森慎吾(オリエンタルラジオ)、向井慧(パンサー)やニッチェなどがレギュラー出演しており、TBS系のドラマや舞台だけではなく、幅広いエンタメ情報を発信している。
対する関西は、トミーズを中心とした「せやねん!」(MBS)。アキナ、かつみ・さゆり、徳井義実(チュートリアル)ほか在阪アナウンサーや芸人などが、関西の話題を中心に届けている。
「せやねん!」は関西で活躍する吉本芸人にとって、憧れの番組として知られる。情報誌記者が言う。
「これは『出世番組』と呼ばれています。元せやねん!ファミリーの中川家、ブラックマヨネーズ、フットボールアワー、チュートリアルがM-1王者になり、番組を卒業したからです。現在のレギュラーメンバーである徳井のように、売れて戻る特例もありますが」
ファミリー入りするためのハードルは高い。根本的に漫才に定評があり、ロケやMC、ひな壇、フリートークなどをオールマイティーにこなす吉本芸人であることが最低条件だ。千鳥、かまいたち、和牛、ミキ、なかやまきんに君も卒業組。M-1王者にならずとも、跳躍的な売れ方をしているのは周知の通りだ。
「番組開始から23年も経っているので、これほどのスターが出るのは当然といえます。現在のファミリーであるアキナは『キングオブコント』と『M-1グランプリ』のファイナリスト。さや香とカベポスターは2年連続でM-1決勝戦へ。逆にいえば、大舞台で爪痕を残せる芸人しか、せやねん!ファミリーに選出されない、ということです」(前出・情報誌記者)
さや香は昨年のM-1でファイナルステージに駒を進めながらも、新山が独自で編み出した「見せ算」なる計算方法を独演するネタで自滅している。
現在のファミリーで今年のM-1に最も近いのは、ダブルヒガシ。昨年の「ytv漫才新人賞」と「ABCお笑いグランプリ」で優勝している。年始には「第9回上方漫才協会大賞」で大賞を獲得して、在阪賞レースを制する勢いだ。ダブルヒガシは「せやねん!」が人気芸人への登竜門というジンクスを守ってみせるか。請うご期待だ。
(北村ともこ)