古巣の中日ドラゴンズから、恨み節が聞こえてきた。日本ハムはアリエル・マルティネスの開幕戦4番を確定させたのだ。DeNAとの3月22日のオープン戦、1点ビハインドの9回無死一塁、二塁のチャンスで逆転のサヨナラ3ランをブっ放すと、新庄剛志監督はこう評して絶賛した。
「4番でいこうって、キャンプの初めの方から思っていました。スイングが違う。仕上げてきてくれて嬉しい」
マルティネスは中日の育成選手として、2018年に来日。キャリアを積んだが方針が合わず、2022年10月に中日が契約を結ばないと発表して自由契約公示された。すぐに日本ハムが食いつき、入団。昨年は15本塁打を放つなど、今やチームに欠かせない助っ人となっている。球界関係者が言う。
「貧打の中日球団内部では『あの時、マルティネスを放出しなければ…』という後悔の声が聞こえてきます。もし残留していれば、中田翔、細川成也とクリーンアップを打っていたことでしょう。もったいないことをしました」
マルティネスと同時期の2022年11月には、京田陽太がDeNAに、阿部寿樹が楽天に移籍。2人とも立浪和義監督と合わなかったことが、放出の原因だった。名古屋のメディア関係者が言う。
「中日はマルティネス、京田、阿部を放出して以降、明らかに迷走しています。投手陣が強いですから、3人がいればかなりの戦力になっていたでしょうね。立浪監督の見る目がなかったと言われてしまっています」
今年は30本塁打を打ちそうなマルティネス。ますます中日の後悔の念は増幅しそうである。
(佐藤恵)