2月28日、巨人がキャンプを打ち上げた。7季ぶりの日本一を目指す原辰徳監督は、「私ももちろん挑戦者であるというね、そこはどういう状況であっても1年間貫き通したい」と、意気込みを語っていた。
「原監督は2月中の対外試合もほぼベストメンバーで戦ってきました。結果が出ているので、そのいい流れのまま開幕戦まで行きたいようです」(スポーツ紙記者)
この臨戦態勢を懸念視する声も聞かれた。巨人はベテランの多いチームだ。また、今年は天候に恵まれすぎたせいで、チーム全体が「お疲れモード」となっており、一歩間違えば、大きな故障に見舞われかねない状況でもあるのだ。その一人が「4番・サード」でのフル出場が予定されている岡本和真だ。
「キャンプ中、雨天で練習が中止になったり、午前中だけの軽めのメニューに変更される日もあるんです。選手たちはそんな雨天の日を使って上手に体を休めるんですが、若い選手はそういう力の抜き方を知りません。岡本は、キャンプ半ばでコーチが止めて、別メニューになった日もありました」(前出・スポーツ紙記者)
その後、岡本は通常練習に復帰したが、疲れは残っている。懸念視される理由だが、岡本はマジメな性格だ。コーチがストップさせた臨時休養日にしても、「ラッキー」とは思わず、罪悪感に見舞われ、早期の復帰となったのだ。そんな岡本のマジメな性格を指して、こんな声も聞かれた。
「岡本はメキシコ代表と戦う侍ジャパンの強化試合にも招集されています。昨秋の日米野球で初めて侍ジャパンのユニフォームを着ましたが、いいところがありませんでした。3月のメキシコ戦に期する思いは強いはず」(ベテラン記者)
疲れがたまっているのに、侍ジャパンで奮闘すれば、ペナントレース本番にも影響しかねない。原監督は岡本を欠いた対外試合で「4番・阿部」の”レトロ打線”を組んだ。他の中心選手を4番に据えれば、新たな4番争奪戦が始まる。4番を単なる新旧の入れ換えに止めたのは、岡本が開幕前にパンクした場合、その“傷口”を最小限に止めるためでもあったようだ。
お疲れモードの巨人は、本当に大丈夫か?
(スポーツライター・飯山満)