今となっては誰もがフツーに使う「一般語」。その“言いだしっぺ”は意外な有名人だった。アノ言葉の誕生の逸話を紐解いてみると──。
まずは、正月恒例の挨拶「あけおめ」。この言葉を世間に浸透させたのはELTの持田香織と言われている。
「まだ声がバリバリ出ていた99年に、大みそかの『CDTVカウントダウンライブ』に出演。めでたく年が明けた瞬間に『あけおめ~』と画面に向かってアピールしたのが最初でした」(芸能記者)
もともとネットでは使われていた略称だったが、さすがに歌姫がテレビで言うと浸透度は絶大。一気に認知度を高めた。
お次は、別れた恋人を指す「元カレ」「元カノ」。こちらはとんねるずの「ねる様の踏絵」という番組が発祥地。
「95年10月から半年だけオンエアされたTBSのバラエティです。10組のカップルをシャッフルし、その模様をとんねるずの二人が『元サヤ』に収まるか、それとも『元カノ』や『元カレ』になってしまうのかと表現。番組自体は“不倫を助長する”と、あえなく打ち切りになった」(テレビ誌記者)
続いては、じゃんけんのタイミング「最初はグー」。これを全国的に統一させたのが志村けんだ。
「大人気だった『8時だョ!全員集合』で、仲本工事との酒場コントの中でたびたび使われ、瞬く間に全国に広まりました。もともと志村の地元・東村山のローカルルールだったものを、お化け番組に乗せて全国区にしました」(前出・芸能記者)
最後は、飲み会などで言われたくない「ドン引き」というフレーズ。
「『ドン引き』という言葉自体はテレビや映画の専門用語として古くからあった。ただし、その意味はカメラがズームアウトしていく『引きの映像』のことを指していた。ところが、ひな壇での出演の多い土田晃之が多用したことから、場の空気が悪くなり一気にシラけてしまう際に使われるようになった」(放送作家)
すぐに忘れられるような「流行語」より、文化を発展させた「現代用語」を生み出した人を表彰してはどうだろうか。