春先になると気になり出すのが、桜の開花予想。毎年、お決まりの場所で花見という人も多いだろうが、日本全国津々浦々、見事な花を咲かす桜の名所がやまほどあるのだからもったいない。今年は、桜前線のごとく“日本列島花見巡り旅”へ出かけてみてはどうだろうか。
日本にはヤマザクラをはじめとする野生種の9種を基本に、変種をあわせると100以上の桜が自生している。場所や品種によって開花時期はさまざまだから(1年に2度花をつける冬桜などもある)見頃時期を狙って各地を訪れたい。ちなみに、例年1月下旬に花をつけ始めるのは沖縄のカンヒザクラや、本州随一の早咲きとして有名な静岡・伊豆の河津桜。日本列島最後の花見場所として知られるのは、5月中旬に見頃を迎える北海道・厚岸のオオヤマザクラだ。まずは自分が見たい開花時期の早い桜を決め、そこからゴールとなる桜を決めて計画を練ろう。およそ4ヵ月間におよぶ桜の名所ツアー、そのモデルケースを2つ紹介するので、プランの参考にしてもらいたい。
■モデルケース1:ビギナーは“日本三大桜”を押さえよ
つぼみは薄ピンク、満開時は白、散り際は淡い墨色と変化する岐阜県・根尾谷淡墨桜を皮切りに、小さな無数の花が滝のように流れることから付いた福島・三春滝桜、そして最後は樹齢約2000年とも言われる日本最古の山高神代桜がある山梨・実相寺で締めるコース。
■モデルケース2:三大桜名所を制覇する
広大な敷地に約2600本が咲き誇り、最古のソメイヨシノもある青森・弘前公園にはじまり、この地でしか咲かないと言われるタカトオコヒガンザクラが拝める長野・高遠城址公園を経て、最後は一目千本と称される約3万本が咲き乱れる奈良・吉野山をめぐってフィニッシュするコース。
上記のように有名どころをチョイスしてまわるのが初心者には満足度が高いと思うが、ほかにも歴史好きの人なら豊臣秀吉が花見をしたという京都の醍醐寺など戦国武将ゆかりの桜を愛でに巡るもよし。城好きなら名城と桜のベストショットを目的に‥‥なんて組み立て方もある。
今年は早々に計画を立てて、趣味思考に合わせた花見名所巡りの旅をしてみてはどうだろうか。