衆院選が終わりました。組織票のない私にとっては残念な結果でしたが、東京都知事選の12%を上回る18%もの得票をいただいたのは大きな励みとなりました。
今回の選挙、序盤戦は準備に大わらわでしたが、全国から集まっていただいたボランティアの方々のおかげで、どうにか態勢を整えることができました。
この場をお借りしまして、ご声援をいただきました皆様に厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
さて、集団的自衛権の行使容認、国防軍の創設、憲法改正など、安倍総理が訴える「強い日本」を取り戻す政策は、公明党の反対によりほとんど実現できていません。
そこで私は「自民党と公明党が連立政権を組んでいるかぎり、日本は前進できない」と主張しました。
尖閣諸島周辺の海では、もう何年も我が国の漁船が操業できていません。海上保安庁が日本漁船の運行を阻止するからですが、なぜ中国の漁船を排除しないのでしょう。
我が国に「戦う意志」がないからです。
中国が仕掛けるさまざまな嫌がらせを抑止するには「戦う態勢」を取らねばなりません。軍事力が強く戦う態勢を取れば戦争に巻き込まれる確率は格段に低くなりますが、頭の悪い人は「集団的自衛権が行使できると戦争になる」と考えます。
消防署が増えたからといって火事が増えるわけではありません。警察官が増えたからといって犯罪が増えるでしょうか。軍事力を整えたから戦争や紛争が増えるわけではないのです。
つまり、強い日本を目指す政策に反対することは、国民をミスリードすることなのです。
日本はアメリカの支援がなければ戦うことができませんが、自衛隊が自立できる法律を作ることこそ、我が国の緊急課題です。
現状を見ましても、我が国の政策はおかしなことだらけです。
例えば今、我が国に外国人留学生は16万人おり、その半分は中国人です。日本政府は彼らに毎月約14万5000円もの返還不要の奨学金を与えています。国立大学の学費は免除、私立大学の学費は政府が負担しています。加えて家賃の補助までしていますが、日本の大学生には1円の補助もありません。
こんなおかしさがまかり通るのも、日本政府が中国や韓国に度を越した配慮をするからです。
当たり前ですが、日本の税金は日本人のために使われるべきです。
日本の土地権利の外国人の取得を許可制とする、安易に移民を受け入れない、日米安保を基軸とした「経済力に見合った国防力の整備」、武器輸出解禁、非核三原則撤廃、情報収集力の強化、拉致被害問題の早期解決、ODAの戦略的拠出と反日国家への支援の打ち止め、アジア諸国との関係強化、国家公務員倫理法の見直し、中選挙区制の復活、そして自主憲法の制定。
強い日本を取り戻すためには、以上のような政策や法律を作ることが必要だと、私は感じています。
うちわ騒動のように、野党があら探しばかりしていては、我が国の議会は停滞します。
与党の足を引っ張るのではなく、いいものはいい、ダメなものはダメ、とはっきり提言する野党が必要ではないでしょうか。
私は空軍出身です。政治家を目指して一度飛び上がったら敵空母を撃沈するまで戦います。
今後ともご指導ご鞭撻を、どうぞよろしくお願いいたします。
◆プロフィール 田母神俊雄(たもがみ・としお) 1948年生まれ。第6航空総隊司令官、統合幕僚学校長を経て第29代航空幕僚長に就任。08年10月、自身の論文にて政府見解と異なる主張をしたことで職を解かれる。08年11月定年退官。