都合の悪いトカゲのシッポをチョン切って、幕引きとなってしまうのか。
自民党派閥の裏金・脱税事件で、岸田文雄総理は関係議員を処分すると表明した。世耕弘成前参院幹事長と塩谷立元文部科学相は離党勧告という重い処分になる方針だ。
「大々的な処分をアピールしていますが、裏金の使途など、肝心の真相は明かそうとしない。最重鎮の二階俊博元幹事長は次期衆院選への不出馬を表明したことで、処分対象から外れました。85歳という高齢もあって、機をうかがい、最適なタイミングになりましたね。息子に地盤を譲り、真実を語らぬまま引退する形に『逃げ足が速すぎる』と皮肉の声が、永田町から出ています」(野党関係者)
安倍派元会長の森喜朗元総理からも聴取を行ったというが、裏金開始時期などに関する新情報はもたらされず、関与なしと早々に認定。セレモニー的色合いがありありだが、二階氏ともども、2人の大権力者はお咎めなしとなった。
またもや有権者を怒らせることになった岸田政権の支持率は、過去最低の20%台前半で、不支持率は70台%中盤と、歴史的な低迷の様相。国民は無責任な政治にどんどん不信感を強めている。
「裏金問題の対応ばかりに気を取られている内閣ですが、庶民の生活は物価高に苦しんでいる。岸田総理は賃上げするという号令のみで、対応が遅れています。物価高の原因である円安の是正も、全くする気はなさそう。トヨタなど一部輸出メーカーが円安の恩恵を受けていることもあって、配慮しているのでしょう」(永田町関係者)
4月1日の国会では、岸田総理が新社会人に向けて、こう訓示を垂れた。
「どんな苦難があっても、必ず意味がある。新しい人生を一歩一歩、前を向いて進んでいただければ」
裏金作りと脱税に手を染めて責め立てられる議員にも「意味がある」というのか。
もはや何を言っても説得力ゼロ。不正にヌルい対応を繰り返し、国民の苦難と怒りを理解しようとしないリーダーは、害悪でしかない。いったいいつまで、恥ずかしげもなく居座るつもりなのか。
(田中晃)