政治

森喜朗もコントロールできない「安倍派5人組」の総裁・会長「椅子取りゲーム」

 安倍元首相の一周忌(7月8日)が近づく中、「安倍派」の会長の座を巡り複数の候補がドングリの背比べ状態でいまだに決まらない。

 そんな中、派内では自民党総裁候補と会長を別々に立てる「総・会分離論」が検討され始めているという。

 現在、安倍派会長ポストには、森喜朗元首相が候補として挙げた「5人組」が有力視されている。西村康稔経産相、萩生田光一政調会長、松野博一官房長官、高木毅国対委員長、世耕弘成参院幹事長だ。ほか、下村博文元文科相や塩谷立会長代理も野望を持っているとされ、混沌としている。

 安倍派中堅議員が言う。

「森氏の意中は萩生田氏で落ち着かせたいようだが、他の人が引かないので決まらない。しかし、いつまでもグダグダやっていると内閣改造などで貧乏クジを引きかねないと、5人組もさすがに焦り始めていりる。そこで今、出ているのが『総・会分離案』、つまり自民党総裁候補と安倍派会長を別々に立てる案だ」

 では誰が総裁候補で、誰が会長候補の先頭を走るのか。

「総裁候補としてまず名乗りをあげているのは西村氏だ。過去に一度総裁選にチャレンジしているし、次の総裁選にも必ず出ると周囲に断言している。一方で会長候補として名が挙がるのは萩生田氏。ただ、萩生田は会長に固執するとともに幹事長、総理へという王道も狙う二兎追いを捨てていない」(前出・安倍派中堅議員)

 かくして両者、時間さえあれば若手を集め会合を開き、各議員のパーティーに顔を出すなど自分の目標に邁進する。

 一方、2人の独走を許すまじと、虎視眈々と会長を狙うのは世耕氏だ。

「世耕氏は『総・会分離論』には反対で、最大派閥100人の会長が総理総裁選に打って出るのが筋としている。そして安倍派内で40人からなる参院集団『清風会』を中心に懇親会を重ねるなど、鉄の結束で会長職を狙っています」(安倍派幹部)

 もっとも世耕氏の場合、会長、総裁候補とも「やはり衆院議員でないと」という自民内の慣習がネックとなっている。先の安倍派幹部が言う。

「そものため世耕氏は地元和歌山で何とか衆院に鞍替えしようと考えているが、和歌山のドン・二階俊博元幹事の圧力でなかなか上手くいかない。次の総選挙でも鞍替えはかなわず、いまだ先行きは不透明だ」

 自民党最大派閥となりながらも会長決定が長引けば、派閥の空中分解が起こり得る可能性も指摘される安倍派。どうなる「総・会分離」。

(田村建光)

カテゴリー: 政治   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
長与千種がカミングアウト「恋愛禁止」を破ったクラッシュ・ギャルズ時代「夜のリング外試合」の相手
2
日本と同じ「ずんぐり体型」アルプス山脈地帯に潜む「ヨーロッパ版ツチノコ」は猛毒を吐く
3
暴投王・藤浪晋太郎「もうメジャーも日本も難しい」窮地で「バウアーのようにメキシコへ行け」
4
侍ジャパン「プレミア12」で際立った広島・坂倉将吾とロッテ・佐藤都志也「決定的な捕手力の差」
5
沖縄・那覇「夜の観光産業」に「深刻異変」せんべろ居酒屋に駆逐されたホステスの嘆き