芸能

キャイ~ン・天野ひろゆき「ウドちゃんに『どういう漫才やろうか』って相談したら…」/テリー伊藤対談(2)

テリー でもさ、これからって時に解散って、途方に暮れるよね。

天野 でも、もっと途方に暮れてたのがウドちゃんなんですよ。あんなすごいキャラクターなのに、持て余すというか。

テリー 暴れ馬みたいなもんだもんね。

天野 そうなんですよ。で、山中伊知郎さんって、コラムとか小説を書く方が浅井企画にいて、その方に「コンビ組んでみれば」って言われたんです。

テリー 言われてすぐやりたいと思った?

天野 そうですね。ウドちゃんのキャラクターはすごく知ってたんで。あと僕が子供の時にバリバリ漫才ブームだったんですけど、当時あんまり東京で漫才やってるコンビがいなかったんですよ。それで「組んでみれば」って言われた時に、「ちょっと漫才やってみたいな」とは思ったんです。それでウドちゃんに、「どういう漫才やろうか」って相談したら、「僕はお客さんに笑ってもらえる漫才がやりたい」って。

テリー アハハハハハ。

天野 「それ前提だろう」「俺は漫才の種類を聞いてるんだよ」って。その時点で、「この人ボケしかできないな」と思って、そこでもうコンビの形が決まった感じですね。

テリー ネタを考えるのは天野さんでしょう。

天野 そうですね。でも、余白を残すというか。ネタもガッチリやるんですけど、ちょっとウドちゃんの別の面白さも出せるような漫才の形式をとってましたね。

テリー もう組んで何年?

天野 33年です(笑)。

テリー 33年か。すごいね。キャイ〜ンは年を取らないよね。

天野 そうですか。今、ウドちゃんの楽屋での着替えを見てると、体は70歳ぐらいですけど(笑)。

テリー 見た目的なこともそうだけど芸風もずっと変わらないし、偉くもなってない。

天野 アハハハハハ。ちょっとポワッとしてる存在だから。それ、僕っていうよりもウドちゃんのキャラクターかなと思うんですけどね。

テリー あと全然メッセージ性がないよね。

天野 ああ、そうですね(笑)。「キャイ〜ンのライブですごい笑ったんだけど、何で笑ったのかわかんないんです」っていう手紙が来たことがあります(笑)メッセージ性がないから。

テリー でも、そこがいいよね。メッセージ性があるって面倒くさくない?

天野 僕もただ面白ければいいなと思って。

テリー 僕もそうですよ。昔らメッセージ性がないのが好きなんです。そこがキャイ〜ンはすごい。

天野 でも、昔から「笑わせるのと笑われるのは違う」みたいなことを、お笑いを語る方々は結構言うじゃないですか。

テリー ねぇ。面倒くさい連中だよ。

天野 それに対して、フワッと思ってたんですね。それは芸人側の視点でしかなくて見てる側はあまり気にしてないっていうか。あと海外の笑いと日本の笑いを比べる人もいますが「和食もフランス料理もどっちもおいしいでいいんじゃないかな」と思ったりとか。

テリー あんまり笑いの取り方にこだわらない?

天野 そうですね。面白いことが前提で、笑いがあることが大事なんじゃないかなと思ってるから、時代の新しい笑いをとか、そういう基準で考えたことはないかもしれないですね。「おじいちゃんも子供も笑えたら最高じゃない?」っていう考え方で。一時期、結構「新しい笑いを」みたいな流れが世の中にありましたけど、なんか自分たちの路線でいきたいなとは思ってました。

ゲスト:キャイ~ン・天野ひろゆき(あまの・ひろゆき)1970年、愛知県生まれ。1991年、事務所の先輩だったウド鈴木と「キャイ~ン」結成。多くのバラエティー番組で活躍。「ウッチャンナンチャンのウリナリ!!」(日本テレビ系)の企画で、南原清隆、ビビアン・スーと共に音楽ユニット「ブラックビスケッツ」を結成し、「STAMINA」や「Timing」などのヒット曲でNHK紅白歌合戦にも出場。現在のレギュラー番組は「うまいッ!」(NHK総合)、「プレミアの巣窟」(フジテレビ系)、「スイッチ!」(東海テレビ、木曜日コメンテーター)、「あまドラ~天野っちのドライブしよう!!~」(テレビ愛知)ほか。4月25日、キャイ~ンとずんの共著「作文集~ほぼ同じで、ぜんぜん違う」(小社刊)発売。

カテゴリー: 芸能   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
長与千種がカミングアウト「恋愛禁止」を破ったクラッシュ・ギャルズ時代「夜のリング外試合」の相手
2
暴投王・藤浪晋太郎「もうメジャーも日本も難しい」窮地で「バウアーのようにメキシコへ行け」
3
日本と同じ「ずんぐり体型」アルプス山脈地帯に潜む「ヨーロッパ版ツチノコ」は猛毒を吐く
4
侍ジャパン「プレミア12」で際立った広島・坂倉将吾とロッテ・佐藤都志也「決定的な捕手力の差」
5
怒り爆発の高木豊「愚の骨頂!クライマックスなんかもうやめろ!」高田繁に猛反論