サンフランシスコ・ジャイアンツ2AからFAとなり、日本球界復帰が決定的な筒香嘉智の古巣DeNA復帰が、暗礁に乗り上げている。在京スポーツ紙遊軍記者が説明する。
「これまでならDeNAが真っ先に手を上げていたはず。筒香がDeNA時代に付けていた背番号25を、ずっと空き番にしていましたしね。ところが今季は開幕から首位を走るなど好調なスタートを切ったこともあり、筒香待望論は沈静化の一途をたどっています」
開幕3カードを消化した時点で、総本塁打数こそ少ないが、チーム打率は12球団No.1の2割5分7厘。ドラフト1位ルーキーの度会隆輝も今後の成長に期待できるとあって、今のところ打線強化は喫緊のテーマではない。
それでも、かつてのDeNA時代のような活躍をすればいいが、メジャーリーグに在籍したことで、致命的な欠点が暴露された。長年、メジャーリーグを取材しているスポーツライターは、
「筒香は変化球にはうまく対応できるが、とにかくスピードボールはからっきし打てなかった。あれではメジャーでは通用しない」
最近の日本球界では、パワーボール投手が全盛期を迎えている。速球が打てないという欠陥を抱えた筒香が、以前のような打撃ができる保証はない。前出の遊軍記者も、
「もはや昔の名前で勝負はできない。対応に苦労すると思います」
と不安を口にする。
現段階では、阿部慎之助監督が獲得に興味を示す巨人入りが有力視されているが、それもこれも古巣がいまひとつ本気ではないからだ。
ただ、筒香の古巣復帰を待ち望むDeNAファンの声は日増しに大きくなっている。そう考えれば、営業的なメリットはあるのだが…。
(阿部勝彦)