シーズン開幕から1勝もできずにいた中日が4月2日、バンテリンドームでの巨人戦で延長11回サヨナラ勝ち。決めたのは昨シーズン「令和の米騒動」の主役となった細川成也だった。
「完璧。ヒットが出なくて苦しかったけど、打席に入るたびに、自分で決めてやるという気持ちでした」
開幕3試合を終えた時点で、ノーヒット。中田翔がひとり気を吐いて2本のアーチを放つ中で、存在感は薄れていた。19打席目でようやくトンネルから脱出できたことを喜んだが、球団関係者は、
「まだ戦いは終わっていない。あの米騒動余波が…」
昨年夏、中日は「令和の米騒動」と称される話題で大いに盛り上がった。もとはといえば、細川がリミットをかけずに試合前からどんぶり飯を選手食堂で平らげて試合に出るも、調子が一向に上がらなかった。そこで立浪和義監督が一喝。「どんぶり飯禁止令」が発令された。当然ながら、これには選手から不満の声が上がった。
「投手陣は1日で解除されましたが、野手は現在も禁止令が出たままです。プライベートでも大食漢で知られている細川ゆえ、再び見境なく試合前に白飯を食べたいのが本音。解除を実現させるには、本塁打王、打点王など何かタイトルを獲得するなど圧倒的な成績を示し、立浪監督に物申せる立場にならなければいけないでしょうね」(球団関係者)
この日の試合を迎えるにあたり、3試合無安打の細川を、チームメイトも心配していた。中島宏之が励ましの電話をかけ、中田翔は助言を送った。試合前の練習では立浪監督も細川の元に足を運んだというが、その立浪監督は試合後、
「最高のゲームをお見せできた。去年と今年は違うんですよ」
と満足げ。
自身の不調をきっかけに、気兼ねなくどんぶり飯を食べられなくなってしまった他の選手のためにも、細川にはこれから、やらなければいけないことは多くある。