台湾付近を震源とする震度6強の大地震が4月3日に発生し、沖縄本島地方と宮古島・八重山地方に津波警報が出された。
正午には全ての津波注意報が解除され、大規模な被害は確認されなかったが、那覇空港では石垣空港や宮古島空港のほか全国を結ぶ58便が欠航し、乗客1万1300人あまりに影響が出た。
春休みで多くの旅行者が訪れる中、突如として襲った津波のニュース。津波から避難するための車が道路に溢れ、大渋滞を起こす様子がSNSで拡散された。これにアキレ返るのは、津波警報が発令された本島に住む男性だ。
「地震発生時、うちはすぐに家族で、近くのショッピングモールに走って避難しました。交通渋滞のニュースは友人のSNSを見て知りました。小さい子供や年配の人がいるのなら仕方ないとしても、友人は若いし独り身。しかも、少し歩けば避難できる場所に住んでいる。走って避難した方がいいと忠告したところ、『車を捨てるのが嫌』と言われて驚きました。車ごと津波に流されたら、どうするつもりなんだろうか…」
高台や避難所に多くの車が押し寄せれば、適切に人が避難できずに混乱を招くおそれがある。この男性が指摘するのは「沖縄の防災意識の低さ」だ。
「沖縄は地震が少ないこともあり、本島で地震や津波のニュースが流れても、どこか他人事のように見ている人もいます。県内各地で地震や津波に備える避難訓練が実施されていますが、積極的に参加する人は少ないですね。普段から台風が頻繁に直撃することから、津波が来ても大丈夫だろうと感じているのかもしれません」(前出・男性)
沖縄は地形的に国内で最も地震発生頻度が低いことから、移住先としての人気は高い。しかし今回のように、台湾地震の影響で津波のリスクがあることを忘れてはいけない。県外からの移住者はもちろん、地元の人達も防災意識を高めなければならない。