今年のプロ野球開幕カードで最も重要だったプレーに、「梶谷のスーパーキャッチ」を挙げる評論家やファンは多いだろう。
巨人×阪神の初戦は、ランナー2人を置いた場面で、阪神の3番・森下翔太が右中間に「これは抜けた」と思われる大きな当たり。スタメン出場していた右翼手の巨人・梶谷隆幸がなんとギリギリで追いつき、ダイビングキャッチしたのだ。
長打に備えて1塁から大きく飛び出していた中野拓夢は帰塁できず、ダブルプレー。阪神のビッグイニングの芽を摘む、この試合最大のハイライトだったと言っていい。
巨人党で知られるフリーアナ・徳光和夫が自身のYouTubeチャンネル〈徳光和夫の人生ジャイアンツ【日テレジータス公式】〉に巨人・阿部慎之助監督を招き、この試合を振り返った。
徳光「開幕戦、梶谷のファインプレーは今後のジャイアンツの戦いの中でも相当、評価できますね」
阿部「素晴らしいプレーでしたし、あれで勝ったようなもんですよね、本当に」
徳光「そうですよね。そういう意味では陰のヒーローはオドーアかと思いますけど。そんなこと言っちゃいけませんけど…」
阿部「ハハハ、陰のヒーローって…はい、うん(苦笑)」
梶谷のスーパーキャッチを演出したのは、新外国人のルーグネット・オドーアだったのだと、徳光は皮肉を込めて指摘したのだ。
オドーアはオープン戦での成績が振るわず、2軍調整を提案されたが、これを断固拒否。なんと開幕3日前に、電撃退団してしまった。メジャーリーグ通算178本塁打のプライドが、2軍落ちなど許さなかったのだろう。
とはいえ、高橋由伸氏、村田真一氏、宮本和和氏、元木大介氏といった巨人OBは軒並み、開幕前にはオドーアの右翼スタメン出場を予想しており、梶谷を挙げたOBは皆無と言ってよかった。阿部監督の心づもりがどうだったかはわからないが、梶谷にとってはまさに「棚からボタ餅」的な開幕スタメン起用の様相だったのである。
ちなみに、オドーアの本職は二塁手だが、メジャーリーグでは6度もリーグ最多失策を記録。外野手としての経験が少なかったことを考慮すると、確かに「陰のヒーロー」かもしれない。
(所ひで/ユーチューブライター)